ヨーカ堂は上場し、大企業になってから、
世間の厳しい目に晒されることになりました。
総会屋対策は上場企業にとって、頭痛の種でした。
そんな折、ヨーカ堂は、総会屋に利益供与商法違反の
容疑で、逮捕者を出しました。
狙い撃ちされたというべきでしょう。
伊藤さんは回想しています。
「大企業になったヨーカ堂を見る世間の目
と、中小企業経営者の意識が抜けない私自身の
間にズレが生じて、問題意識と対応を鈍らせた
面もあるだろうと思います」
堅実経営の静岡銀行が注目を集めるのは、
バブルが弾けた一九九〇年代以降です。
ヨーカ堂はバブルにはまみれませんでしたが、
バブルが破裂して日本中で矛盾が噴出し
はじめたころ。痛恨の事件が起きました。
一九九二年(平成四年)十月、総会屋に利益
供与した商法違反の容疑でヨーカ堂の監査役
と幹部社員が逮捕されたのです。
(P.136)
(028-1-0-000-229)
確かなのは、時代もヨーカ堂も大きく変わった
ということです。談合や接待などが厳しい世間
の指弾を浴びるようになったように、清濁併せ
のんだ時代の社会通念が今は否定される時代
です。大企業になったヨーカ堂を見る世間の目
と、中小企業経営者の意識が抜けない私自身の
間にズレが生じて、問題意識と対応を鈍らせた
面もあるだろうと思います。
(P.137)
(029-1-0-000-230)
ヨーカ堂にはまだ社史がありません。戦後の
創業から五十年余の社歴の会社ですから、
社史がなくても不思議はないのですが、
小売業にとってこの間の急激な変化の連続
は戦国時代が続いたようなもので、落ち着い
て過去を振り返る余裕などなかったからです。
それだけではなく、うわべだけの、いいこと
だけしか書かない社史というものが、私は嫌い
なのです。
(P.139)
(030-1-0-000-231)
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