今週の言葉(17) 国益が衝突する交渉 通じるのは論理と筋 | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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国益が衝突する交渉
通じるのは論理と筋


畠山 襄(はたけやま・のぼる)氏
[元日本貿易振興機構(ジェトロ)理事長]



知日派としてよく名前の知られた

米国の学者が私に語った言葉が、今でも

思い出されます。「日米関係には2種類

の人間がいる。トレード・ピープル

(通商政策を担当する人々)とセキュリ

ティー・ピープル(安全保障を担当する

人々)だ」。その人の言によれば、前者は

「常に対立的」で、後者は「常に友好的」

という色分けがあるそうです。


国益がぶつかり合う交渉で、やはり大事な

のは論理です。論理の通った話は相手に

通じるものです。


とにかく、国際交渉は厳しいものです。

長時間にわたる交渉の末、午前2時に米国が

譲歩するとします。しかし、午前3時に顔を

合わせた時には、先ほど譲歩した内容を撤回

するとも言わず、まるで違う主張を展開する。


あの日、家族を車に乗せた私は宿泊する

ホテルを何時間も探していました。

猛烈な雨が降る夜です。

後から到着した米国人がホテルの入口付近

に車を止めて、先に入ってしまったのです。

残っていた鍵は1つだけ。ホテルの人は

「どっちが先か」と聞きました。

私の3人の子供は腹をすかせていましたが、

彼の子供もむずかっていました。

「あんたが先だったよな」。

こう言って彼は雨の中を去っていきました。

筋を通してくれた彼は、見上げたものだと

思います。

           (2013.12.2号から)




欧米人は論理、日本人は以心伝心といった
二元論で、両者の違いを説明することが多いですね。


論理というと、私は、すぐにアリストテレスの
三段論法を思い出します。


A=B、B=Cなら、A=Cという考え方の
流れです。


しかし、欧米人も論理よりも感情を優先する時が
ありますし、逆に日本人も理詰めで押し通すこと
があります。


畠山さんは、そのあたりのことを自分が体験した
エピソードを交えて語った、と思います。


日本語に「腹を割って話す」があります。


酒を酌み交わしながら、相手の懐深く入り込み、
お互いに理解し合うには、酒が一番という考え方
が背景にあると考えられます。


こうした対応に好感を持つ欧米人もいます。


一方で、日本の若い人は、そもそも上司や
年上の人と酒の席にいることを好まない傾向が、
あります。


私は、お酒はあまり飲みませんが、宴席の雰囲気
は嫌いではありません。ただ、深酒で暴れたり、
罵声を浴びせるような人とは一緒に居たくない
だけです。そう思うのは、何も若い人ばかりでは
ないでしょう。


酒席の話ばかりになってしまいましたが、

「論理と筋」

は欧米人と日本人の考え方の違いを端的に表す
言葉なのかもしれません。







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