『チャイナ・インパクト』(14) 新・大前研一名言集(41) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『チャイナ・インパクト』(14)


『チャイナ・インパクト』(初版 2002年3月29日 講談社)は、
中国を正しく理解するための視点を提供してくれる本です。
中国関係では、この本を含めた3部作(『中国シフト』
『中華連邦』)は必読書です。

大前研一さんは歴史を重要視しています。
そして独自の歴史観から事象を捉えることもしています。
ドイツの宰相・ビスマルクの言葉と言われている、
「愚者は己の経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
ということを実践しているのが大前さんです。



ヨーロッパは今、中国をアメリカへの対抗軸として、地政学的に取り込もうとしている。実際、ヨーロッパのトップと中国のトップは、非常に頻繁に交流するようになっている。ヨーロッパから見ると、アメリカ一極支配を避ける方向は、中国を少し助けてやることだ、というようなメンタリティーがある。

              今日の名言 1 〈121〉




日本のような際立った中央集権国家は、もう世界に例がない。なぜなら、すでに時代に合わないからだ。国境なき経済、ボーダーレス経済においては、いかに中央集権であっても、様々な形で裏側からお金が流れ、技術が漏れ、企業がこぼれていってしまう。ボ-ダーレス経済のこの時代には、中央集権制を維持していくには膨大なエネルギーを必要とするのだ。

              今日の名言 2 〈122〉




相互依存というのは、なかなかきちんと理解されていないが、「それを壊すとお互い経済的に大きな痛みが伴う」という関係だ。安全保障上の一番大切な概念で、軍備を増強して安全保障を高めるというより、経済的にインターディペンダンス、すなわち相互依存を高めていくほうが安全は確保できる。

              今日の名言 3 〈123〉





相互依存については、日米関係よりも米中関係のほうが
相互依存は強まるのではないか、と見ています。


中国の人口は13億人。この膨大な数の胃袋を満たすには、
自給自足は不可能です。


米国は工業国と見られていますが、実は農業国でもあります。
農産物が豊富で、中国はこの農産物が供給されることを切望
しています。


シカゴ商品取引所は、
「世界の商品市場に大きな影響力を持つ取引所で、
特にトウモロコシや大豆などの穀物の先物価格形成に強みを
持っている」(Wikipediaから引用)からです。


米国は豊富な農産物を中国に輸出したいと考えています。
お互いの思惑が一致するわけです。


日本は、その取引を指をくわえて眺めているだけになります。
日中関係がギクシャクしている状況で、米国は日本より中国を
重視する政策を取ることになるでしょう。


TPP(環太平洋経済連携協定)交渉で、日米間で妥協点が
見いだせていません。


後から参加表明した日本の要求を、米国が全面的に認める
ことはありません。


一部でも認めることになると、本筋で合意している、TPPが
スタートした時から参加している各国に迷惑をかけることに
なります。


それでも、強引な日本の要求を認めるとなると、それ相応の
見返りを要求されることは間違いありません。


農業や漁業従事者を守るために、日本国民に多大な犠牲を
強いることは火を見るより明らかです。





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