日経ビジネスの特集記事(12) 農協支配の終焉 こうすれば日本の農業は勝てる(2) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(12)

農協支配の終焉
こうすれば日本の農業は勝てる

2013.6.24

農家の現状と厳しい未来

前回は、巨大な組織の農協の実態をお伝えしました。

今回は、農家の現状と厳しい未来そして、異業種参入の現状を
ご紹介します。

日経ビジネスはコメ農家の驚くべき実態を伝えています。
「農林水産省の『農業経営統計調査』によれば、2011年の
コメ農家の所得を平均すると、純農業所得が約9万円で、
総所得約446万円のうちのわずか2%にとどまる。
コメ農家が困窮しているかといえば、勤め先の給料など
『その他所得』のおかげでほかの農業分野と遜色のない
収入を確保している。
要は、コメ農家は兼業率が非常に高く『週末農家』が
多いことが分かる」

以前から指摘されていたことですが、農業従事者の高齢化は
深刻で、「基幹的農業従事者の65歳以上の割合は平均61%に
対し、コメ農家は74%と突出して高い。高齢で零細なコメ農家
が問題の本質であることを如実に示す」ということで、
改めて農業従事者の高齢化の実態を知ることになりました。

コメを筆頭に高い関税率がかけられているということは
聞いたことがありますが、実数はどのようなものなのかは、
知りませんでした。

まさかこんなに高い関税率がかけられているとは驚くと
言いますか、呆れてしまいました。

ここまでして保護する意味が本当にあるのか考えさせ
られました。

それだけに、関税が撤廃されれと相当深刻な状況に
追い込まれるな、と素人ながら思わずにはいられません
でした。

コメ、麦(小麦、大麦)、食肉(牛肉、豚肉)、乳製品
(脱脂粉乳、バター)、砂糖の関税率とTPPに参加すると
どうなるかを日経ビジネスの記事から掲載します。

            関税率      TPPに参加すると

コメ       778%(精米)   国内生産量の32%が輸入品に置き
                      換わる

 小麦    252%       国産の99%が輸入品に置き換わる

   大麦    256%      主食用、味噌用を除き、79%が
                      輸入品に置き換わる

食肉牛肉    38.5%      3等級以下は輸入品への置き換え
                     が進み、60%減少

    豚肉    4.3%      銘柄豚の他は輸入品に置き換わり、
                      70%減少

乳製品脱脂粉乳  218%   生クリームを除き、輸入品に置き
                       換わり、45%減少

    バター   360%   

砂糖      328%(粗糖)   100%輸入品に置き換わる


TPPに参加すると、農林水産物の生産額はどれくらい減少
するのでしょうか?

「政府の試算では、TPP参加による影響で農林水産物の
生産額は約3兆円減少」となるそうです。

一方で、安倍政権のTPP参加表明を受け、このままでは
生き残れない、危機感を募らせ、行動している人たちがいます。

和牛の生産量が国内で最も多い鹿児島県で、「産地の銘柄
でなく、個人の名前に由来する『のざき牛』を日本で初めて
ブランド品として確立した」人がいます。

農業生産法人のざきの野崎喜久雄社長です。

野崎社長はこう述べています。
「TPPが成立すれば、牛肉にかかる38%超の関税は今後10年で
0%になる。その時代に備え、日本のどんな和牛がウケるか研究
する」

農業は全産業で最もIT(情報技術)を活用していない産業と
言えます。

そうした中で、青果生産に従事してきた若い世代の人たちに
よって新しい試みがされています。

畑にカメラ内臓のセンサーを設置し日々の気温、湿度、雨量など
のデータを蓄積し始めたそうです。

農作業を見直したところ、キャベツの収穫量が3割増えたそうです。

さらに、異業種から参入するケースもあります。
人材派遣企業のパソナは、農業の見直しを図り、若者に農業の
魅力を教える場を提供しています。

「パソナは、兵庫県を通じて地権者から借りた農地を利用して
最大3年間、給料を保証する農場を作った」そうです。

「毎年10人近くがチャレンジファームに応募してくる」という
ことですから意欲のある若者たちに期待したいですね!


次回は、コメ問題について掘り下げてご紹介します。 




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