『ドットコム仕事術』(初版 2003年8月10日 小学館)は、
日本でIT企業が注目され始めた頃に書かれた本です。
先見性と洞察力に裏打ちされた本書を読み返してみると、
新しい発想で仕事に取り組み、成果を挙げるための多くのヒントが、
見つかりました。
今日の名言 1 〈67〉上司としての資質が問われる時代だ。ひと昔前ならば、現場の若手社員には、直属の上司の無能ぶりを役員クラスに訴える発想も手段もなかった。だが、状況は大きく変貌しつつある。部下が上司を採点する「逆査定」制度なども導入され、「無能な上司はいらない」という機運が高まっている。
今日の名言 2 〈68〉つねに論理を重んじ、全体像を把握して真の問題点を抽出し、その解決のために躊躇なくメスを入れる能力―《問題解決能力》は、上司や部下、取引相手を説得したり、部下に的確な指示を出すためのコミュニケーション・ツールとしても重要だ。
今日の名言 3 〈69〉「選択肢が多くなればなるほど、選択しなくなる」―これが人間の心理である。
名経営者と呼ばれた、ジャック・ウェルチ元GE(ジェネラル・
エレクトリック)会長が採用した、360度評価を採用する企業が、
急増する現象が起こった時期があります。
本人を中心に、上司(上)、部下(下)、同僚(左右)から評価を受ける
ので、360度評価と言うのですが、これの運用法がなかなか難しい。
この評価の眼目は、評価の偏りを修正しようとするために考案されたの
ですが、どんなに客観性をもたせようとしても、主観が入り込みます。
自分の評価が厳しくならないように、互いに厳しい評価を避けようとする
意識が働くからです。
大学でも、講義を受講する学生が教授の授業内容を評価するところが
あると聞きます。
企業と違い、多くの学生には評価基準を明確に認識しているケースは
少なく、私はこの制度を疑問視しています。
選択肢に関して言いますと、3~7個までであれば、真剣に選ぼうと
する意思が働くようですが、選択肢が8個以上になると、選ぶことが
面倒になって、選択しなくなるそうです。
スーパーの棚に並ぶ、1つのカテゴリーの商品は多くないことは、
コスト面だけでなく、お客さんが選ばなくなることを回避するため
なのでしょうか。
研究の余地がありそうです。
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