初回お伝えした「エンゼルケア」の話を読んで、
強烈なインパクトを受けませんでしたか?
2回目はナースと患者との微妙な関係についてお伝えしていきます。
『ナース裏物語 白衣の天使たちのホンネ』の著者、中野有紀子さんは
この本を書く意図を次のように述べています。
「この本で“看護師”という仕事の偽りの無い姿を知っていただけたら、
患者さんにとっても、看護師を目指す人にとってもいいことなんじゃない
かな、と思うんです。
(中略)
ナースだって“人間”、それを分かっていただけるだけで、患者さんとの
距離もぐっと縮まりますし、治療する際に、より良いコミュニケーションが
できていくんじゃないかな、と思います」
単なる暴露本ではないということをご理解いただきたいと思います。
世間では、よくこう言われます。「お客様は神様です」
病院にとっても患者さんはお客様です。
であれば、患者さんは神様のはずですね。
ところが、お客様の中には困った人もいるのです。
[不良患者“ブラックリスト”]
中野さんは3つ例をあげています。
・ クレーマー
・ 踏み倒し
・ ☓☓中毒
クレーマーは病院に限らず、どこにでも出てきます。
学校の場合では、「モンスターペアレント」が有名ですね。
以前読んだ[新装版]社長をだせ! 実録 クレームとの死闘 川田 茂雄
の中に、カメラメーカーのサービスセンターを訪問した
クレーマーの実態が書かれていました。
中古品を購入し、写りが悪いから新品に交換しろと要求したり、
旅行中に撮った写真が全く写っていないので、旅費を弁償しろ
と言い張っていたが、実はその場所には行っていなかった
とか…
呆れた実態が、これでもかこれでもか、と書かれていました。
著者が自ら体験した「事件」ばかりです。素晴らしいのはクレーマー
の不当な要求に屈せず、すべて解決したことです。
クレーマー
病院でのクレーマーには、次のようなケースがあるそうです。
「ちょっとした腹痛などで外来に診察に来ても、後から、
『全く治療をしてくれなかった。私を殺す気か!』
とクレームの嵐」。
その後も「“あの治療が気にくわない。あの治療が不満だ”と
延々とナースに向かって不満を訴え続けるんです」。
こういったひどいクレーマーは結構いるそうです。
踏み倒し
治療費や入院費を踏み倒す患者さんもいるそうです。
これはご時世なのかもしれません。
☓☓中毒
「よく、ハルシオンなどの睡眠薬を得るために、不眠症
を装って外来を訪れる人がいます。こういうときは、
本当にその症状で苦しんでいるのか、それとも単に薬が
目当てなだけなのか、見極めが難しいところ。こういった
薬が、1錠いくらで売られていたりするみたいです」。
困ったことですね。病院を悪用しようとしているわけ
ですから。
対応次第ではクレーマーにもなりかねません。
ナースの立場から見た医師について面白い話が
書かれています。
題して[整形外科はナンパ天国]
整形外科の患者のケースを取り上げましょう。
整形外科の患者は骨折や外傷で入院している人が、
ほとんどということです。
そうした患者は足や手が動かなくても、他の部分は
健康なわけです。さらに他の科よりも平均年齢が
若い独身男性が少なくないといいます。
そのような状況ですから、身近なナースへのナンパが
頻発してしまうという状況を作り出していると言えます。
ナースが患者と飲み会や合コン、デートをすることも
実際にあるそうです。
でも病院は関知しないのだろうか、と疑問に思いますよね?
「プライベートのことって、個人の裁量に任されているんです。
病院に迷惑をかけない限り、患者さんと恋に落ちてもうるさく
言われません。それに退院後なら、自分から話さない限り
あんまりばれることはないですからね」
納得しました。
以前、別のブログ記事で、私の知り合いが入院中にナースと
親しくなり、結婚したという話を書いたことがあります。
中野さんの話を読むと、こうしたケースは例外ではないのですね。
次回は、ナースのプライベートについてお伝えします。
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ナース裏物語―白衣の天使たちのホンネ (文春文庫)