『ドットコム仕事術』(初版 2003年8月10日 小学館)は、日本でIT企業が注目され始めた頃に書かれた本です。
先見性と洞察力に裏打ちされた本書を読み返してみると、新しい発想で仕事に取り組み成果を挙げるための多くのヒントが見つかりました。
今日の名言 1 〈64〉
組織能力とは「ある戦略や業務を組織として遂行する能力」である。組織はそれぞれ、長い年月をかけて醸成した組織能力という個性を持っている。それは個人の性格と同様、一朝一夕で変わるものではない。組織能力を無視することは、野球の監督にたとえれば、チームに足の速い選手が1人もいないのに機動力中心の戦略を立てるような失敗を招いてしまうわけである。
今日の名言 2 〈65〉
アメリカには「うるさい車軸には油をさせ」(The squeaking wheel gets the grease.)という諺がある。異見・文句をいう人間がいたら、その人間にやらせてみよ、という意味だ。米企業の中でも、とりわけマッキンゼーはこの諺を地で行くような会社だった。
「出る杭は打たれる」風潮のある日本企業とは正反対である。
今日の名言 3 〈66〉
自分が「もっと知りたい」と思うことこそ、他人も知りたがっていることである。知りたいと思うからこそ勉強し、新たな発見もある。そして、その成果を話すことで、自分にとっても聞く側にとっても財産となるのだ。
「出る杭は打たれる」の他に、「出ない杭は腐る」「出すぎた杭は抜かれる」も
あります。
「出ない杭は腐る」は、意(異)見を言わない人は存在しないことに等しいと
いうことです。
「出すぎた杭は抜かれる」は、目立ちすぎる人は意欲があるのだから、その人に
やらせてみよう、いう意味です。言行不一致や有言不実行では困りますが。
ちなみに、現代では有言実行が一番です。発言に責任を負い、実行するのです
から。
インターネットで検索すれば、大概のことは知ることができます。
ところが、どうしても見つからない情報もたくさんあります。
それは、検索していない時点で、文字や画像として記録されていないこと
です。当たり前と言われれば、当たり前のことです。
でも、案外気づいていないことがあります。
身近な例としては、ある本の中に書いてあったキーワードを見つけること
です。
Googleは、世界の書籍・雑誌の中身まですべてデータ化して、提供しよう
としています。
その試みが成功すれば、自分で考えたキーワードがどの本のどのページの
どの行に書いてあるかは分かります。
しかし、紙ベースの本を読んでいると、思いがけない発見があります。
著者が意外な人と交流があることを、知ることができます。
読者が意識的にその記事を探していたわけではないのです。
こうした状況では、どんなに検索エンジンの性能が優れていても、前提と
なる意識が存在していないのですから、発見することはできないのです。
さらに、ネット上に情報発信している人でも、自分の本当の強みを公開して
いることはありません。そんなことをしたら、自分で自分の首を絞めること
になると、よく理解しているからです。
自分が持つ情報の価値が高いのであれば、無償で公開するはずはなく、高額で
販売することになるでしょう。高額に設定することで、人数を絞るのです。
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