著者、ダニエル・ピンクは脳の働きについて、
多くのページを割いて、説明しています。
俗説、誤った考え、最近の研究に基づいた
考え方を一つ一つていねいに分析しています。
その上で、自説も展開しています。
よく整理されていますので、理解しやすい、
と思います。
大前さんの読みやすい訳も、私たちの理解を
助けるために、好影響を与えています。
右脳と左脳について断片的に理解している人が、
多いと思いますが、ここでもう一度、理解を
整理しておくことはとても大切である、
と思います。
ふつう、人間の脳は1000億個もの細胞から
なり、それぞれの細胞は最大1万個の脳細胞と
結びつき、情報交換を行なっている。
細胞全体で1クワデリリオン(10の15乗)
個もの結合部からなる極めて複雑なネットワー
クを構成し、話す、食べる、呼吸する、動く
などの働きをつかさどっている。
(P.41)
(004ー1-0-000-055)
左脳は順序よく推論し、分析能力に秀でていて、
言語を操る。一方、右脳は総括的な思考をし、
パターン認識や、感情や言語的表現の理解に
優れている。「ニ心ある」という表現があるが、
文字通り、人間には2つの思考パターンが備わっ
ているのである。
(P.44)
(005-1-0-000-056)
右脳は確かに存在する。右脳は重要である。
そして私たちを人間たらしめるものである。
この点については、博士号を持つような神経科学者
なら、異論を唱える人はいないだろう。
だが、神経科学の研究室や脳のスキャン画像を撮影
するクリニックを一歩出れば、右脳に関する「2つ
の誤った考え」がいまだに残っているのだ。
これら2つの間違った考えは、主旨は正反対だが、
バカげているという点では共通している。
1つは「右脳こそ救世主である」というもので、
もう1つは「右脳は妨害行為をしている」という
ものである。
(PP.45-46)
(006-1-0-000-057)
記事が面白かったら
ポチッとして下さい。

私の書棚(読み終わった本の一覧)