会長のホーロー記 高橋会長のオフィシャルブログ -3ページ目

金沢・高岡町 「最後の料亭の味」を楽しむ(つる幸)

いよいよ、今月末に迫った、料亭「つる幸」の営業。

 

昭和40年から50年にわたり、金沢の和食をリードしてきた、店の灯が消えるとなると、寂しい想いが募って来ます。

 

…と、いっても会長は、つる幸には10回くらいしか行ったことないけど(笑)。

 

ラスト、となると、1か月半前からでも週末は取れず、何とか平日の夜に予約を取ることが出来ました。

 

最後のつる幸、楽しんでまいりましょう。

 

この日は、秘書に復活した、S君と訪問。奮発して、レギュラーメニューでは最高額の2万5千円のコースをお願いしました。

 

昔、20代で間違って国会議員になって「料亭、行きてえっ!」等々、失言し放題だった薄口政治評論家氏がいましたが、20代のS君もこの日、料亭デビュー。

デビューの店が「ラストつる幸」に滑り込みで間に合いました。

 

折角だから、上座に座ってもらいましょう(笑)。

 

少々緊張気味のようです。

 

食前酒で乾杯後は、先付として香箱ガニが運ばれてきました。

 

訪問日は、地元産カニ解禁の前だったので、この日は新潟産のもの。

季節の先取り感と一緒に、美味しく頂きました。

 

八寸。季節の盆。

賑やかな、料理の盛合わせがやってまいりました。

 

奥左から時計回りに、栗の渋皮煮、茶わん蒸し、カマス炙り寿司、サンマ卯の花和え、シャインマスカットの白和え、生スジコ、キヌカツギ アンチョビのせ。

 

栗の渋皮煮。

甘さを抑え、栗本来の旨みでホックりと仕上がった、大きい国産(石川産)の栗。

 

栗のイガはそうめん、紅葉の葉はビーツを薄くスライスして素揚げしてあります。

 

料理で深まりゆく秋を表現しているねぇ。

 

茶わん蒸し。

イカのルイベを薄くスライスしてイカスミと生クリームを和えたものと一緒に茶わん蒸しの上に乗せたコクのある一品。

 

ルイベが溶け切らないうちにスプーンですくい、口の中で融合させると、ふくよかな味に。

 

つる幸お得意の一品です。

 

和え物三品。

フレッシュな生スジコ、しっとりと落ち着いたサンマの卯の花あえ、素直なサンシャインマスカットの白和え。

 

酒が進みます(笑)。


炙りカマスの棒寿司。

口直し的な存在です。

 

椀物。

具は、能登産マツタケとタイ。

 

具材だけでなく、香り高い鰹節の香りにも、ホッとするねぇ。

 

造り。

奥からヒラメの薄造り、天然マグロのトロ、ボタンエビ。

 

…と書くと、フツーに読み過ごされてしまいますが、一品一品が美味い。

 

特に、ボタンエビがデカイ。

エビ好きのS君、大はしゃぎです。

 

大きくても大味じゃなくてしっかり甘くてエビの味がします。手を抜いておりません。

 

焼物。

丸々と太った子持ち天然アユ。もろみそ乗せオリーブ添え。

焼き目が鮮やか。

 

頭から尻尾まで頂けます。

 

香魚の名の通り、ハラワタの香ばしさも味わえます。

 

蒸し物。

からすみ入り小坂レンコン蒸し。

見た瞬間、餅?と思ってしまった一品。

はす蒸しだと、茶わんに入っているけどこちらは葉にくるんで蒸したもの。

 

見た目にも意表を突きます。

 

こちらの自家製からすみも、もう、食べられないのね。

 

あと、金沢で美味いからすみって言ったら、竹千代くらいになっちゃうぁ。

 

強肴。

能登牛ステーキ、柿の器入り。

能登牛のステーキを柿をくり貫いた器にソースごと盛りつけた一品。

 

素材そのものも柔らかくて美味しかったけど、ソースが柿の実と混然一体となって、一層、味を深くさせているのにも感動。

 

いいねぇ。

 

食事。

地中海料理店で見かけるタジン鍋のような土鍋が出てきます。

 

鍋が部屋に入った途端に広がる香しいかおりで、中身がすぐにわかりました。

 

蓋を開けると、能登産マツタケの炊き込みご飯!

なんと、栗も入っています。

誠に以って、贅沢です。

一杯目は仲居さんが茶碗に盛ってくれました。

香りもいいけど、味もサイコー。

 

S君も美味しぃ、美味しぃ、と言って箸を進めます。

 

サッと無くなり、会長は2杯目を…。

 

アレ、S君の茶わんもカラになりましたが、お代わりしようとしないで、会長の2杯目をジッと見ております。

 

「アレ?S君は(お代わりしないの)?」

 

「あのぅ、会長。私の分、持って帰ることは出来ませんか?こんなに美味しぃマツタケご飯は初めてなので、親にもひと口づつ食べさせたい…」

 

何とも健気な申し出。仲居さんに頼んで、残りのご飯を俵型のおむすび5個にして包んでもらいました。

 

これは、S君でなくても、持って帰りたくなるわな。

 

列車の時間が押してなければ、追加料金を払ってでも、ご飯を鍋ごと再注文したい気持ちでした。

 

味噌汁。

赤だしの豆腐。

 

香の物。

 

デザート。

オレンジのゼリー、ルビーロマン、キウイフルーツ。

 

茶。

 

上生菓子。

 

抹茶。

 

最後に大女将が挨拶に見えて、初めて訪問した25年以上前の話でひとしきり盛り上がりました。

 

ウム、サイコーに美味い夕餉なのでした。

 

非常に美味しかったです。

 

ご馳走さまでした。

 

来年の秋、「せつ理」でお会いしましょう、河田料理長!

 

 

料亭 つる幸

金沢市高岡町6-5

電話 076-264-2375

営業時間 12:00~15:00 18:00~22:00

定休日 不定休

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