アローファイブ(8) | たからしげるブログ

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 ライブが終わって、暑い夏も過ぎると、ぼくたちは性懲りもなく光が丘のスタジオに集まって練習を再開することになりました。


 POCD(肺気腫)を患う上田益義は、徐々に体力を弱らせていきますが、それでも気力を振り絞って携帯用酸素ボンベを転がしながらスタジオにやってきていました。


 年が明けて2017年、ベースを担当する志村徳幸が中央区晴海の自宅近くに見つけた音楽スタジオは、そこに人を集めてライブができそうなほど広い空間が魅力的でした。


 第6回目のライブを〈New Spring Party〉と題して4月15日に開催することになりましたが、晴海のスタジオでは飲食が禁じられているので、場所はやはり、長年お世話になってきた荻窪のライブハウスになりました。


 上田の迎え送りは、リズムギターの吉良友孝がほぼ毎回、車を出してくれました。


 ライブ当日、上田は携帯用酸素ボンベとともに舞台に上がり、椅子に座ってギターを抱えて演奏に参加しました。


 当日は、おなじみの編集者・森彩子と、イラストレーター・カタノトモコが組む即席デュオ〈ブルードラゴン・ネアリーデッド〉が、歌と踊りで盛り上げてくれました。

 

バラバラ  アローファイブ&ブルードラゴン・ネアリーデッド (youtube.com)

 

Venus(ビーナス) アローファイブ&ブルードラゴン・ネアリーデッド (youtube.com)

 

春一番 アローファイブ&ブルードラゴン・ネアリーデッド (youtube.com)


 これにてアローファイブのライブは最終となり、バンドは解散ということになるかもしれないな、という懸念がよぎりました。


 ある意味、上田の持つ音楽的センスと、演奏に対する真摯な向上心の発揮が、アローファイブを支えてきたのかもしれません。


 正直、セミプロの域にも達していないぼくたちの演奏力を今後の練習で磨き上げていこうとするには、メンバー全員のたゆまぬ努力が必要なのでしょうが、歳には勝てません。


 書くことが好きな人が、だれでも本を出せる作家にはなれないのと同じです。


 書くことも演奏も「楽しければそれ以上は望まない」で納得できれば、それはそれで幸せなんだとは思いますが。(敬称略・続く)

アローファイブのメンバー6人:左から猪俣寛(MC)、上田益義(SG)、菅沼雅明(LG)、吉良友孝(RG)、宝田茂樹(DS)、志村徳幸(BG)と、ブルードラゴン・ネアリーデッドの2人:森彩子、カタノトモコ 写真:益永葉