学びをつくる会の集会があった。

 明治学院大学1405号教室は、座る席のないほど参加者でいっぱいとなった。

 

 まずは、申し訳なかったな…という一言。

 終わって、希望者みんなで五反田駅前まで歩き、付近の居酒屋に寄ったのだが、参加者は50人を越えた。

 

 ぼくのゼミ生と昨年卒業して現在教師をしている元ゼミ生との話があって、居酒屋で座る席を探していたとき、参加者の一人の女性が

「あっ、私動きます」と席を移動してくれた。

 おかげで5人が同じ場所に座ることができた。

 申し訳ないことをしたと思った。

 昨日のブログで「1人の参加でも大丈夫。すぐ友だちができますよ」と書いておいて、気分を害されなかったかなと。


 午前中は、北海道からいらした村越含博さんのお話。

 様々な楽しい話をしてくれたが、「子どもの関係を豊かに創る」で語られたU君の物語に心が動かされた。

 以下は、ぼくの簡単なメモに基づく記述。正確な引用ではないことをお断りしておく。


 U君は、様々な困難を抱えている。教室での言動も問題が多い。

 そのU君がある日、小鳥のヒナを持ってくる。

「これ育てたい」と。

 村越さんは、その一瞬、彼の中に自分から何かをしようとする姿を見い出し、彼の初めて伝えてきた意志を、新たな関係づくり、あるいは大切な働きかけの契機としようとする。


「これは何のヒナだ?」

 これが村越さんの語りかけた言葉。

 U君は、村越さんの了解をえて、この後1・2時間授業にも出ないで、このヒナが何という小鳥のそれかを図書室に行って調べる。パソコンも使って…。

 そして、スズメのヒナであることを発見する。

 U君の激しく躍動する心の動きが素敵だ。

 

 食べ物は、育て方は…。それを彼は読み取っていく。

 ヒナは動物病院にいかないと命が危ないことも知って、村越さんの前にやってくる。村越さんは、U君を車にのせて病院へと向かう。そこで目にしたものは…。

 このお話は、クラスの学級会へと進んでいく。


 動物へは温かな思いを持ちながら仲間に対しては攻撃的ともいえる少年が、1羽のスズメのヒナと出会い、その命と必死に向かい合いながら、教師と、そして仲間と繋がり合い、仲間もそこから彼を受けとめ、あらたなクラスとして変化していく。

 

 クラスづくりは、型や形、ある種の方法で枠づけしていかなくても、クラスで生きる一人の少年(少女)の、人間としての、子どもとしてのその全身からうまれる好奇心や願いに基づく物語から、いくつかのドラマを通して深く豊かな関係に変わっていく優れた例の1つを伝えてくれた。

 生きている命、ヒナであったことの意味は深い。


 U君の初めてと言っていいくらい思いを伝えようとした表現を、教師が受け止めることの凄さ。

 U君の幸せを思う。そして、つながりあい語り合ったクラスの仲間たちの心に刻まれた思いで。


 実はぼくも、巣から落っこちたヒナを小学4年生のとき育てたことがある。だが、2日目に死んでしまった。その悲しみはいまも覚えている。