6月定例会、本日も各議員の一般質問が続いております。
自分自身も金曜日に終えたところですが、なにぶんご報告したい事項が多いもので、普段よりペースを上げて投稿してまいります!
部活動の地域展開について、前回は取り組み全般に対するスタンスと、活動種別や地域の特性に応じた個別の対応が必要なことをお伝えしました。
本日は、吹奏楽ならではの課題について、論点を整理します。
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まずは、活動場所について。
吹奏楽で用いる楽器は精密で、重いもの・大きいものも多く、中学生が練習の度に持ち運ぶことは現実的ではありません。
特に、打楽器や大型楽器をはじめ、楽器の輸送には多大な労力と時間、温度管理等を含めた細心の注意が必要で、費用も高額にのぼります。
活動にあたっては、音楽室等の練習場所と楽器庫の存在が欠かせず、個人練習・パート練習では空き教室や廊下を使用していることからも、多くのスペースが必要です。
学校以外の施設では、音が大きく近隣住民や他の施設利用者から苦情を受けるリスクが有り、公共施設でも管楽器の使用は不可の場合が多くあります。
中学生が吹奏楽に取り組む上で、活動場所は事実上、学校以外の選択肢が無いと言えます。
次に、学校ごとのクラブ設立について。
吹奏楽部は、式典や行事での演奏はもちろんのこと、地域での演奏機会が多く、学校や地域との結びつきが強固です。
これまで育まれてきた、学校や地域に愛される存在としての重みは大切にされなければなりません。
楽器・備品の中には音楽科での教育活動用と共用しているものも多く、学校と切り離すことは困難です。
少子化が進む中においても、依然として部員数の多い学校が多く、70人を超える学校が全20校中8校にものぼります。
プレみやクラブは「複数の中学校区で1つ開設すればよい」という考えがあるようにも見受けられますが、このような規模の学校が隣接しているエリアでは、1つのクラブに統合できるはずがありません。
また、規模は大きくなくても、地域の高校や一般楽団との合同演奏に取り組んでいる学校もあり、そうした場合には、平日には自身の通う中学校で練習し、休日は外部で活動するという環境が必要です。
これらの状況をふまえると、人数などの都合でどうしても合同で活動せざるを得ない場合を除いては、原則として各校に1つ、プレみやクラブが必要と考えます。
そして、何より大きな特性として、1人1台の楽器を必要とすることが挙げられます。
維持管理や衛生面の観点から、管楽器を共用することは不可能です。
楽器は高額で、個人購入を前提とするのは難しく、学校部活動で気軽に始められるからこそ広がった文化であることを忘れてはなりません。
現在、部活動で使用している楽器について、地域展開後も活用できる仕組みを構築する必要があります。
楽器の運搬、備品の購入、演奏会の開催など、様々な費用が発生することもふまえれば、楽器の購入・メンテナンス費用については、市や統括団体の負担と、学校教育下での予算措置で賄われるべきです。
ここまで申し上げた通り、吹奏楽部の地域展開は
①活動場所を学校とし
②1校につき1つのクラブを設立し
③現在部活動で用いている楽器を使用できる
ことを前提とするべきです。
そのためには
④指導者の確保
も大きな課題になると言えます。
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