一般質問のご報告、本日からは「市役所におけるカスタマーハラスメント対策の推進」についてです。
皆様は、カスタマーハラスメント、通称カスハラという言葉を、お聞きになったことがあるでしょうか。
最近、大きく認知度が向上している用語ですが、カスタマー(顧客)によるハラスメント(嫌がらせ)ということで、要は悪質なクレーム類を指します。
代表的なものに、暴言・罵声や謝罪の強要、長時間の拘束、インターネット上での誹謗中傷などがあり、厚生労働省も写真の通り定義を示しています。
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近年、接客部門を有する企業において、カスハラへの対応指針を公表するケースが相次いでいます。
2024/6/28 全日空と日本航空 「カスハラ」対処方針 共同発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240628/k10014495631000.html
2024/8/9 カスハラ「組織的に対応」 ローソンが方針、コンビニ初公表
https://news.yahoo.co.jp/articles/37f35a362338624749a26a55e143412d3b516b83
自治体でも、東京都が先行してカスハラ防止条例を制定したほか、三重県桑名市では制裁措置を伴う条例が大きな注目を集めました。
2024/10/4 東京都 全国初のカスハラ防止条例が成立
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241004/k10014601001000.html
2024/12/5 悪質な客はホームページで氏名公表 “制裁付き”カスハラ条例案を市議会に提出 成立すれば全国初 三重・桑名市が対策強化へ
https://news.ntv.co.jp/n/ctv/category/society/ct18aff2353a1447ef91940894740fc006
国においても法改正が検討されており、カスハラ対策は社会全体で大きな流れとなっています。
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市役所の職員も窓口や業務において、多くの市民・団体・事業者等と接しています。
もちろん、福祉などの現場も有している市役所では、できる限りきめ細やかな対応が必要となりますが、過度な要求等を受ける場合もあるのが実情です。
資料に示した通り、公務員を対象にした全国的な調査では、7割以上がカスハラを「受けている」「受けている人がいる」と回答しています。
当然、西宮市役所だけが例外なはずがありません。
本市ではカスハラの定義づけや件数把握が行われていないため、現状を数値で示すことはできませんが、職員が市民・事業者等への対応に苦慮するケースは、実際に多く見受けられます。
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私がこのテーマを取り上げたのは、職員さんが安心して働ける環境づくりを、極めて重要な問題と考えているからです。
西宮市役所では、「精神・行動障害」を理由に休職している職員が30人を超えます。
仕事で悩み、大変な思いをしている・していた者は周囲の友人にも多くいますが、そうした状況は本当に厳しいものです。
せっかく熱意と希望をもって西宮市に入職してくれた方が、前向きに働けないなんて悲しすぎる。
これまでメンタルヘルスや内部公益通報制度について提言してきたのも、同じ問題意識に起因するものです。
そして、人員不足を訴える声が多くの部署から聞こえてくる現状や、財政難に伴って採用が抑制傾向にあることをふまえれば、休職をできる限り防ぐ&復職を支援することは、組織にとっても喫緊の課題です。
悪質なクレーム類から、職員さんを守るために。
カスハラ対策に向けた具体策を、次回以降の投稿でお伝えしてまいります。