一般質問のご報告、最終回。ガチ論戦の模様をどうぞ! | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・34才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!



私は日頃から、議会での質問についてはできる限り事前に市役所と協議するようにしています。

こうした慣習は、出来レースだ!と批判されることもあるんですが、全く調整してなければ、議事録に残る場で市当局が「わかりました、やります!」なんて即答するわけないんですね。
実際に課題を解決するためには、有効な答弁を引き出すことが大事だからこそ、事前の調整を重視しています。

しかし、それでも納得のいく答弁が得られない場合は、当然ながら調整なしで議場に臨みます。
公的な場で追及することができるのは、議員として最大の武器なので。
ここまでお伝えしてきた保育所年齢別定員の見直しは、この武器を使うケースとなりました。
以下、質問→答弁→再質問…の原稿を抜粋してお届けしますので、是非リアルなやりとりを感じてください!

■□■□■□■□■□■□

≪たかの≫
認可保育所における3歳以上の受入枠増加を前提に…(略)…地域型保育事業所の新規開設を進めるべきと考えます…(略)…地域型保育事業所の卒園生を受け入れるため、認可保育所の年齢別定員を見直し、3歳以上の受入枠を増やすべきと考えますが、市の見解をお聞かせください。

≪こども支援局長≫
…(略)…就学前児童数が減少し続けていることにも鑑み、新規開設については慎重に検討しなければならないと考えております。
…(略)…議員ご提案の…(略)…年齢別定員の見直しについては、検討してきておりませんでした。保育所等の年齢別定員を見直すためには、各保育所等の園舎の構造、保育室等の配置、調理室やトイレ等の設備、認定こども園については学級編成にかかる部屋数等、ハード面における課題のほか、人員配置や運営面でも解決すべき課題が多数あると考えます。また、就学前まで同一の施設で保育を受けさせたい、あるいは2箇所の施設に送迎をすることを避けたいというニーズも高いことから、保護者の理解を得る必要もあります。さらに、地域型保育事業の整備による1歳児・2歳児の受入枠確保と、保育所等の年齢別定員の見直しによる3歳児以上の受入枠確保を同時に実施しなければ、待機児童が増加する要因にもなります。このように、保育所等の年齢別定員の見直しには、留意すべき事柄がありますが、年齢別定員の見直しも含め、今後の少子化を見据え、既存の施設を有効活用しながら待機児童を解消するための様々な施策について検討していきたいと考えております。

≪たかの≫
まず、年齢別定員の見直しについて。ご答弁ではハード面の留意すべき事柄として、「園舎の構造」「保育室等の配置」「調理室やトイレ等の設備」「認定こども園については学級編成にかかる部屋数」等を挙げられました。皆様お分かりの通り、ここでは、面積については一切触れられていないんですね。そうなんですよ、面積は問題じゃないんです。建物や敷地の総面積が足りないわけではなくて、構造や配置の都合で、できない場合がありますよ、という話なんです。先ほども触れましたが、これまで市は定員の見直しができない理由を、保育室や園庭の面積と説明してきたんですね。今回の調査では、この回答が誤っていたということが明らかとなり、先ほどのご答弁は、そのことを事実上お認めになったものだと受け止めています。
さて、そのうえで、面積が足りていても、ハード面の制約があるというご説明は一定理解できます。しかしながら、その制約が、全ての園に該当するとは思えないんですね。間仕切りの位置を変更したり、園舎の使い方を工夫したりすることで、解消できる場合もあるでしょうし、どうしても優先すべき地域の保育所であれば、市の費用負担で改修や増築を行うことも選択肢の一つです。
現在の受入人数に対して、園庭の面積に余裕のある保育所が多いことは、先ほどお示しした通りですし、建物に注目しても、保育室等の面積が必要面積より100㎡以上も多い園が複数存在していました。こうした園では、改修や増築を実施できる可能性が十分にあると言えます。制約する要因があるからといって、全ての保育所で定員変更ができない、という姿勢ではなくて、1つずつの保育所について、個別の事情を具体的に確認し、定員見直しの可能性を検証してください。
ご答弁では保護者のニーズについても言及があり、「就学前まで同一の施設で保育を受けさせたい」「2箇所の施設に送迎をすることを避けたい」という思いは、もちろん理解できます。一方で子どもを預けることができずに困っている、どこか受け入れ先を用意してほしい、という保護者のニーズも同じように大切にされるべきです。待機児童が一切発生しておらず、全ての方が希望する園に入れている状態であれば、満足度や利便性の向上に重点を置いて良いのかもしれませんが、少なくとも現時点では、待機児童の解消が優先されるべきと考えています。
さて、ここまで、地域型保育事業所の開設にあたって最も大きなネックである3歳の壁の問題は、認可保育所の年齢別定員見直しによって解消できる可能性が高いことをお示ししてきました。そして地域型保育事業所の整備が、1・2歳児の受入枠拡大に寄与することは、先ほど市もお認めになった通りです。にもかかわらず、答弁は「新規開設については慎重に検討しなければならない」という後ろ向きなものでした。待機児童が発生している、しかし地域型保育事業所の新規開設は行わない、とすると、他の手段で待機児童を解消しようというお考えなのだろうと思います。
ここで、再質問します。保育所待機児童を解消するために、市が現在実施しようとしている手法を具体的にお答えください。

≪こども支援局長≫
待機児童が発生していることについては大変重く受け止めておりまして、解消する必要があると考えております。その認識は変わりません。待機児童を解消するため、先ほども申し上げたような、卒園後の受入先を確保することを条件にした地域型保育事業所の整備のほか、私立幼稚園に対し、認定こども園への移行を促し、保育が必要な児童の受入枠を拡大するといった対策を引き続き推進して、待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。

≪たかの≫
では、その手法で、待機児童を解消できる具体的な目途は立っているのでしょうか。解消を見込んでいる年度とあわせてお答えください。

≪こども支援局長≫
待機児童解消の目処ということでございますが…(略)…1年も早い早期の解消を進めるという考えでございまして、何年度に解消ということは申し上げることができませんが、1年も早く、解消、ゼロを目指していきたいというふうに考えております。解消策についてでございますが、先ほどのご答弁でも申し上げた通り、様々留意すべき事柄はございますが、年齢別定員の見直しも含め、今後の少子化を見据え、既存の施設を有効活用しながら、待機児童の解消には、引き続き、最大限取り組んでまいりたいと考えているところです。

≪たかの≫
目途が立っていないのなら、やはりご答弁いただいた手法以外の取り組みが必要です。私はその中で最も有効なのが、今回提案した地域型保育事業所の新規開設だと思っています。…(略)…出生数が減少し、保育施設の整備が一定進んだ今、就学前児童をめぐる環境は大きく変化しています。従来の施策をそのまま展開し続けるのではなく、発想の転換と、状況に応じた柔軟な政策推進をお願いして、私・たかのしんの一般質問を終わります。

■□■□■□■□■□■□

こちらの模様は、youtubeでもご覧いただけますので、よろしければ是非!(1:04:32~)

https://youtu.be/q3DI7RWn-DU?feature=shared

以上、長文へのお付き合いありがとうございました!