本日が12月議会の最終日。
上程されていた各議案の採決が行われましたが、大きく賛否が分かれたのが、標題の件です。
維新の会・市民クラブの両会派から「本市の厳しい財政状況に鑑み」という理由で、1年間、議員報酬を5%削減する議員提出議案が提出されました。
熟慮の末、私を含めた会派・ぜんしんは本議案に賛成し、全体では26:14で可決。
思いは会派の討論(意見表明)の内容に集約されているので、転載します。
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会派・ぜんしんは「議員提出議案 第3号 西宮市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当支給条例の一部を改正する条例制定の件」について賛成します。
以下、理由を申し述べます。
9月議会において本市財政の危機的状況が明らかになりました。
このような状態に陥った最大の要因は経常収支比率の高さにあり、その原因が人件費率の高さにあることは市自身が認めているところです。
今般の財政危機の最大の責任が、こうした課題に向き合わず、具体的な改善策を講じなかった石井市長をはじめとする市の経営層にあることは明らかです。
市長には自らの職責の重さを強く自覚し、職員の人事給与制度全般の適正化と歳出削減に取り組むよう、改めて、強く求めておきます。
会派・ぜんしんは本市の財政状況は、きわめて厳しいという認識に立ち、継続して市政運営に対する指摘と意見を続けてきました。
とりわけ今般の財政危機の原因である経常経費の高止まりと、その最大の要因である人件費の大きさについて警鐘を鳴らすと共に、具体的な問題点を指摘し、改善策を提案してきました。
2017年3月議会で提出され、賛成多数で可決された職員定数を増員する議案についても、我々は反対しています。
持続可能な行政運営を実現することは、議会として果たすべき重要な役割の一つであり、それを前提に、報酬に相応しい役割を果たすことこそが議員としての本来の責任の果たし方である。
これが、我が会派の基本的な考えです。
そうした観点からも、過去の経緯からも、一律に議員報酬を削減するという内容が、議会として適切な対応と言えるか、疑問があるのは事実です。
一方で、議決機関としての自らの職責を考えたとき、結果として、再来年度には予算編成に支障が出る可能性があるという事態を招いてしまった責任があることも事実です。
また厳しい財政状況の中、職員全体についても給与削減が避けられない可能性が高いと思われます。
先般の総務常任委員会での質疑において、局長級が自らの意思で給与総額の概ね5%を減額する考えであることも示されました。
こうした状況の中、一般職員に比べて、意思決定に遙かに近い場所におり、重い責任を負う議員として、また市当局に厳しい対応を求める者として、自らの立場と姿勢を形で示す必要があると考えます。
よって趣旨に全面的に賛同するものではありませんが、議会としての責任の取り方の一つとして、今回の提案に賛同します。
以上、会派・ぜんしんの賛成討論とします。
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議員に本来求められているのは、自身の報酬をカットすることではなく、報酬に見合っただけの仕事をし、成果を出すこと。
これが私たちの基本的なスタンスですし、職員についても「一律○○%カット!」というような形での人件費削減は、モチベーションや採用への影響から好ましくないと考えています。
しかしながら、事態がここまで悪化してしまい、市当局に厳しい取り組みを求めていくなら。
議決機関として毎年の予算案を可決し続け、結果としてこの財政危機を招いた重みを受け止めるなら。
提案会派の発言や趣旨へ全面的に賛同するわけではないけれど、今回は賛成するという結論に至りました。
報酬の妥当性について、明確な正解はどこにもありません。
だから、ここから先は個人的な感覚のお話です。
私達、西宮市議会議員が受け取っている報酬は月額687,000円。
期末手当などを含めると、年間の報酬額は1,000万円を超えます。
退職金がない・選挙でお金を使う・社会保険は全額自腹…といった要素を割り引いても、私は十分すぎる水準だと思っています。
自主減額する機会があったにもかかわらず、この報酬を満額貰い続けながら、人件費のカットを含む対応を市に求めることは、私にはできないなと思いました。
全国的には、地方議員のなり手不足から議員の待遇を向上させようという動きもありますが、これだけの報酬を頂き、定数より20名以上多い立候補がある西宮市においては、そぐわない議論かなと感じています。
反対した会派・議員の主張にも納得感のある部分は多く、つくづく難しいテーマであることを実感しています。
モヤモヤとした気持ちが無いと言えばうそになりますが、そこも含めて公開することが、議席を預かっている者の責任かと思い、投稿するものです。
それでは今日はこのへんで!