その計画、本当に意味ありますか?? | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

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兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・35才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

今週の水曜日に6月議会が閉会しました。

本日はその中から、私が教育こども常任委員会で主張した内容をお伝えいたします!

 

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今回の議会では各常任委員会に対し「第5次西宮市総合計画 後期基本計画(素案)について」の報告が行われました。

総合計画とは自治体にとっての最上位計画であり、目指す都市像や方向性を掲げ、その実現に向けた施策を示すものです。

この計画は10年ごとに策定されており、西宮市の場合は現在、第5次(2019~2028年度)の期間中。

そのうち「基本構想」に次ぐ「基本計画」については、前期・後期の5年ごとに策定されるため、2024年度からの後期計画に向けた作業が行われているところです。

 

 

私はそもそも、市の計画策定業務に対して、懐疑的な思いを抱いています。

市にはあらゆる「計画」「方針」「プラン」「構想」等が存在しますが、作成すること自体が目的になっていませんか?と感じる機会は多くありまして。

本来大切なのは、そこで示された課題を解決することであり、そのための進捗管理のはずなんですが、実際には作成して終わり、となっているようなケースが多々見受けられます。

職員さんの貴重な労力(≒人件費)は、計画策定ではなく、市民サービスの向上にこそ充てるべきだと考えています。

 

こうした計画策定業務のあり方については、9月議会で取り上げる予定としていますが、今回の総合計画・後期基本計画の策定は、その象徴的な取り組みなんですよね。

後期計画は「5年前と状況が変わった内容について、前期計画の記載を一部変更する」という色合いが強いんですが、別に総合計画を変えなくたって、各部署の計画や日々の業務を見直せばいいわけで。

全部署にわたる計画ですから多くの職員さんが作業に携わり、幹部職員総出で議会に説明し…その結果、修正しているポイントが

 

「家庭・地域・学校の連携」という記載を「学校・家庭・地域の連携」に改めました!

 

とか、

 

「インターネットによるいじめや迷惑メールなどの問題」を「インターネットによるいじめやSNS(インターネットを通じた交流サービス)のトラブル」に改めました!

 

とか…

 

え、それ意味あります??

 

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また、基本計画のアクションプランは「現状と課題」⇒「取組内容」という形式で構成されてるんですが、ここの整理についても疑義があります。

大学生の議員インターン時代から叩き込まれてきたのは、「政策とは、課題を解決するための具体的な手段である」「課題とは現状と理想のギャップである」ということ。

いかに現状を正確に認識し、課題を抽出し、その課題に対応した政策(≒取組)を導くか、が重要なのに、ここでは次のような記載が多いんですよね。

 

現状と課題「児童・⽣徒の⼼⾝の成⻑を支える市内合同行事や部活動の推進については、その効果的なあり方や負担軽減の観点から検討を加えながら実施する必要がある。」

取組内容「市内合同行事については、検討委員会等において見直しや精選を含め持続可能で効果的なあり方を検討した上で実施する。部活動については、⽣徒や教員の過度な負担とならないよう、活動日数・時間などの適正化を進めるとともに、⽣徒の⼈間的な成⻑に資するよう、効果的に実施する。加えて、部活動の段階的な地域移行に向け、本市の実態に応じたあり方を検討・実施する。」

 

現状と課題:●●を実施する必要がある⇒取組:●●を実施します

 

って、そんなん当たり前じゃないですか。

取組に「⽣徒や教員の過度な負担とならないよう、活動日数・時間などの適正化」と書くなら、「今どれくらい過度な負担となっているのか」を現状として示すべきであり、課題には「負担が多い・減らせていない要因」を書かないと。

言葉は悪いですが、それっぽいこと書いているだけで、本質的な課題の整理にはなっていないんですよね。

 

そもそも、総合計画自体のあり方についても、ここまで網羅的な内容な「基本計画」は必要ないと考えています。

最も重要なのは、総合計画にあわせて示される10年間の財政収支見通しであり、各施策への言及は各所管課の計画で十分なはずです。

 

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こうした問題意識から、委員会で「この見直し作業って必要なんですかね?」と発言したら、場が固まりました(笑)

これは教育こども常任委員会だけの話ではなく全庁的な課題なので、こども支援局や教育委員会の皆さんに「総合計画の必要性について」質問することは控えましたが、少なくない幹部職員の方々が、内心では賛同してくれている…と信じたいです。

 

とはいえ、議論の対象と示されたからには、内容についての問題点は指摘せざるを得ませんでしたので、その内容はまた次回の投稿でお届けいたします!