本年最初の投稿です。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
新年早々、緊急事態宣言に暴風雪と、大変な事態になっています。。。
新型コロナはここ数日、西宮でも一日あたりの感染者が増加の一途をたどっています。
最大限の警戒を続けていかなければなりませんね。
例年とは異なる一年となりそうですが、本年もしっかりと職責を果たせるよう精進してまいります。
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さて、今日は年末の政策調整会議(市の幹部会議)で提示された「AIチャットボット」の導入について。
「AIチャットボット」とは、簡単に言うと「WEB上で質問を入力するとチャット形式で回答を返してくれる仕組み」です。
最近、企業のホームページでも増えてますよね。
自治体でも導入する事例が増えていて、近隣では伊丹市さんが施行導入しています。
これを西宮でも3月から導入しようと、現在準備が進められています。
こういう方向性自体に異論はないんですよ。
行政のオンライン化は、私も提言を続けてきましたし。
ただ、今回提示された内容を見ると、いくつか懸念があるんですよね…
まず気になるのが、回答のほとんどは「ホームページのここを見てください」というリンクが表示されるだけ、というところ。
だったら、今もある「ページ内検索」で十分じゃない…??
資料によると、一般の検索に比べて類語や広範囲の質問にも対応できるということで、利便性が高まるということではありますが。
あんまり言葉の揚げ足を取りたくはないんですけど、そもそもこれって「AI」なのか…?
一般的に、「AI」とは深層学習(ディープラーニング)を繰り返すことで、精度の高い最適解を見出してくれる仕組み、のはず。
今回の取り組みは、あくまで既存のデータベースから情報を拾ってくるだけなので、「AIチャットボット」というより「おしゃべり形式で質問に答えてくれる検索機能」だと感じます。
それならFAQ(よくあるご質問)を充実させて、検索の精度を上げる方が重要ではないでしょうか。
「介護」と調べた人は「介護保険の●●」にアクセスする場合が多いから、「●●」を上位表示させる、とか。
同じ人が「医療の△△」も閲覧する場合が多いから、関連情報として提示する、とか。
それが自動的に行われるようになれば、まさに「AI」なんですけどね。
どうやらその分析も現段階では人が行わなきゃいけないようで、まだまだ道は遠いな…という印象です。
まあ、パッケージソフトで費用が抑えられていて、導入時の作業負担も少ないということなので、反対するわけではありませんが。
名前だけの取り組みとならないよう、今後の展開をしっかり見守っていきたいと思います。
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もう一つの懸念が、これって「問い合わせを受け付けたくない」という姿勢じゃないですよね…?ということ。
日頃、業務の効率化を!と言い続けている私ですが、中には効率化だけを求めてはいけない分野もあると思っています。
市民の声を受け止める、相談に丁寧に対応する、という業務は、その最たるものであるはずです。
効率化はもちろん大事ですが、問い合わせ対応を自動化することで、直接の問い合わせを拒むことになってはなりません。
最近、民間のサービスには、問い合わせの電話窓口がなくて、チャットだけでしか対応してもらえないものもあります。
あれ結構困るんですよね…「ちゃうねん!聞きたいのそれじゃないねん!」的な。
今回の取り組みがそうした方向性につながることの無いよう、要望しています。
実は同時に議題となっている「市民の声」の運用に関して、「氏名・住所・メールアドレスが未記入なものには回答しない!」という「!?」な方針が示されたこともありまして。
穿った見方かもしれませんが、そうした流れを危惧している次第です。
※本件については、澁谷議員のブログをご参照ください。
https://blog.goo.ne.jp/.../bb8d414a29fc20597bc5c63124d4fd17
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っていうか、たぶん、このチャットボットを使いこなせる人は、たぶん今の検索機能でも十分に必要な情報を得られる人なんですよね。。。
そうじゃない方(文章を読むのが苦手だったり、WEBに抵抗があったり)にも、しっかりと情報を伝えていく姿勢こそが大事だなぁと思っています。
「スマート自治体」と「優しくない自治体」は別のものですから。
それでは今日はこのへんで。
本年もご指導・ご鞭撻を賜りますよう、どうぞ宜しくお願いいたします!