3月議会のご報告、今回は3/12~16に行われた予算特別委員会・総務分科会での質疑から。
公共工事の工事金額に関する問題提起です。
市は今回の令和2年度予算案に、第二庁舎整備費用として約53億7,640万円を計上しました。
第二庁舎は防災センターを兼ねた市の新しい庁舎で、現在の市役所の向かいで建設が進んでいます。
老朽化に伴う施設の集約と危機管理機能の強化を図るもので、来年4月から供用開始の予定です。
市は2018年3月定例会において議会の承認を得て、工事請負契約を締結。その金額は71億4,960万円でした。
正当な手続を経た契約ですし、この金額で工事が予定通り進められるなら、特に異論は有りません。
しかし私が議員になってからの2019年8月、工事費を1億7,500万円増額したい旨の報告がありました。
工事が始まってから、予期せぬ事象(地中障害物等)で工事費が上昇することは確かに有ります。
この時の増額内容には、「予期できなかった」とは言い切れないものも含まれており、議会から厳しい意見が相次ぎましたが、既に工事が始まっている現状も有り、当該増額を含む9月の補正予算には賛成しました。
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そこで今回の予算審議にて、次年度の工事費・約53億円の内訳を問い質したところ「さらなる増額分を含んでいる」とのこと。
…おい、またか。
前回より金額が少ないとはいえ、1,000万円超の大きな金額。
これまでの経緯と支出の性質を考えたときに、しれっと予算案に潜り込ませておいていいものじゃないと思うんですよね。
そもそも、工事が始まってから、そんなに総額の増が発生するもんですかね。
増額が必要になれば、その分をどこかでコストダウンして、工事費の総額が増えないようにコントロールする。
それが発注者側のマネジメントだと思うのですが…
その意識が著しく欠けているように思えてなりません。
出どころが税金だと、「自分たちのお金を使っている」という感覚が少ないのかなぁ。
私が特に問題視しているのは「当初設定した金額を、後から超えることができる」という点です。
…いや、最初に決めた意味ないやん。。。
それ、議会での議決(=市民の承認)を得た金額ですよ。
そんなに簡単に超えてもらったら困るんですが。
変更契約にも議決が必要ですが、正直なところ、工事が始まってから「こんな増額が必要になりました…」と言われると、工事を止めるわけにいかないし「変更を認めない」という判断はしにくいんですよ。
だからこそ、よっぽどイレギュラーな案件を除いては、当初の契約金額を工事費の上限とするべきだし、あまりにその乖離が大きくなれば入札の公平性にも影響しかねないと危惧しています。
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近年、役所が発注する大型工事は「デザインビルド(DB)方式」が多くなりました。
従来の公共工事と異なり、設計と施工を一括で発注することで、民間ノウハウを活用してもらおうという方向性です。
そのこと自体を否定はしませんが、詳細な設計図を作成したうえで入札を行う従来方式に比べて、金額の増減が発生するリスクは高くなっているのが実情です。
第二庁舎に限らず全ての公共工事について、
「DBであっても、工事前に“予見できる内容”の精度を向上させること」
「増額工事が発生する場合は、他の仕様変更等により総額を遵守すること」
を強く要望しておきました。
今日はここまで。
次回以降も3月議会のご報告を続けます。