スピリチュアルが好きな人というのは、自分の意見がない人だと思う。
自分の意見がないから、誰かの意見を聞きたくて、それに従っている自分が好きなのだと思う。
もちろんこれは私の偏見です。
本日紹介するのは「夢と金」、キングコング 西野亮廣さんの著書です。
前回の「革命のファンファーレ」同様、ゾッとするほど、私が嫌いな占い師、預言者の発言、行動に似ていて読んでいて大変辛かったです。
彼のカリスマ性と信者などの異様な行動から、度々「宗教だ」と言われると著書でも書いてありましたが、
本当にその通りだと再認識しました。
彼のことを盲信している方は多く、彼はパワーストーンや予言は行っていませんが、
何点か占い師や預言者と似ているなと思ったところを挙げていきたいと思います。
彼が販売するのを手に入れること価値がある、奴隷の鎖自慢
西野さんのオンラインサロンなどでは、西野さんのサインや、西野さんが何かやる行動を買える権利、
というものが多く販売されているようです。
熱心なファンはそれをたくさん買うでしょうし、人によっては映画のチケットや著書を何冊も買っているらしいです。
しかし、彼のファンの中で、それは「価値」があるものとして扱われ、それを「買うこと自体に価値がある」と
思われているみたいです。
それはまるで、刑務所の中にいる奴隷が同じ奴隷に「自分の鎖の方が大きくて立派だ」と
自慢するようなもの、だと感じました。
狭いコミュニティで制限されている中で、少しでも優位に立ちたいと思うのが人間です。
しかも、彼のオンラインサロンでは、買えば買うほど、オンラインサロン内でも賞賛されるであろうし、
西野さんも褒めてくれたりするのだと思います。
それは、承認欲求が強い人にとってとても嬉しい環境でないでしょうか。
自分の行動が人に認められる、夢が叶う、まさに西野さんがやっているのは夢を売る仕事です。
危うい彼のビジネス戦略
彼はたくさんのビジネス戦略を日々打ち出しています。
しかし見たところ、9割失敗、1割成功されていて、その1割の成功談を語ることやアピールすることがうまいように思えます。
そのこと自体は悪いことではないと思います。
数々の失敗がない限り、成功は生まれないとも言います。
しかし、彼はいいとしても、彼に付いていっている人たちは大丈夫でしょうか。
西野さんは稼がれていますし、知名度もあります。お笑い芸人ですので、9割の失敗もネタになるという
側面も持ち合わせており、成功しても失敗に転んでも彼の中では何らかの成功談になったり、イジられるネタとして消化できます。
しかし一般人の人が、9割失敗、1割成功することに付いていけるのか甚だ疑問です。
失敗失敗失敗の連続でも、普通の一般人が耐えられる経済力とメンタルを持ち合わせているのでしょうか。
そして多くの一般人は西野さんのように失敗したことを消化できるコンテンツは持ち合わせていません。
失敗は失敗、経済的損失は損失のままだと思います。
成功できるのは、その失敗さえも乗り越えられる人であると思いますが、
彼が担ぎ出そうとしている一般人は本当にそのメンタルを持ち合わせているのでしょうか。
彼のオンラインサロンをやり始めたために、経済的損失、メンタルを病んだ人は
一定数いるのではないかと思います。
西野亮廣さんが宗教ではなくオンラインサロンを主催されていて本当によかった
そして彼のサロンで損失を受けた方だ、が損失を損失だと思わないのはどうすればいいかというと
このままオンラインサロンを続けていくことだと思います。
ずっとサロンを続けていれば、損失を受けたことも西野さんは「いい経験だね」と言われるであろうし
オンラインサロン内でも「昔のあの活動に参加されていたんですね!」と褒められることもあるでしょう。
しかしサロン外に出てしまうと、怪しいオンラインサロンにハマって時間と大金を無駄にしてしまった人、となるのです、
それよりはオンラインサロン内でチヤホヤされる方を選ぶ人もいると思います。
これを行動経済学の用語で”コンコルド効果”と言います。
何かの対象にお金や時間、労力などを投資した際、継続して投資を続けると損失が出る、もしくは損失が拡大するとわかっていても止められない状態を意味します
西野さんのオンラインサロンには、今までの失敗を失敗と捉えたくなくて
ずっと参加している人も多いような気がします。
そしてこれは色々なスピリチュアルにハマっている人にも言えます。
効果がなかったスピリチュアルグッズ、それを買ったことの損失を人は認めたくはありません。
だからその埋め合わせに新しいスピリチュアルグッズを買いますし、
人によってはスピリチュアルグッズに効果があったと言います。
(スピリチュアルグッズに科学的な証明がされているものはなく、全ては気の持ちようで何とでも言えるものです)
やはり、西野さんのオンラインサロンは宗教に似ている反面があると思います。
これは著書にも「よく言われる」と書かれていました。
この不安な世の中、力強い言葉で次々と成功しそうなことを語る西野さんに
ついていきたいと思う人はたくさんいると思います。
もちろんそれはそれで人にとっては幸せなことだと思います。
しかし、ふと「自分の損失」に気づいた時には、一旦立ち止まり、このままこのコミュニティに
所属していてもいいのか、考えてみてもいいかもしれません。
よく考えた上で、コミュニティにいる選択をしたことは悪いことではないと思います。
しかし自分の損失から目を覚まし、盲目的に彼のいうことに従っている人たちは、
一歩引いて考えてみるのもいいかもしれません、
最後になりましたが、著書を読んで勉強になることもありました(飛行機の座席の価格設定の話や、NFTについて)。
読みやすく、終始自信にあふれた言い回しですので、これに感化される方も多いように思えます。
しかしやはり、私には彼が宗教家のように見えて苦手ではありました。
前回の記事にも書きましたが、彼が宗教家であったなら、日本を代表する宗教になっていたかと思います。
彼がビジネス系?のオンラインサロンでよかったと思います。
また、よしもとお笑い芸人であるというのもよかったのかもしれません。
テレビでいじられる姿があるのとないのでは神格化されるスピードが段違いであるでしょうから。。
職場や家庭に居場所がなく、何かに打ち込みたいという方は彼のオンラインサロンで彼についていくことは
いいのではないでしょうか。
しかし、少し変だな、と疑問に思ったら立ち止まって振り返って考えてみる。
彼の著書には「損切り」については記載がなかったかのように思えます。
経済本では必ず「損切り」について触れられています。
損切りとは
ある銘柄に見切りをつけ、損を覚悟で売却すること。
です。
彼は損切りの存在をオンラインサロンメンバーに伝えていないような気がします。
損失なんてない、全ては成功に繋がっているという教えのように感じます。
果たしてそれは、本当なのでしょうか。
今後もご活躍の様子を注視していきたいと思います。
今日もあなたにとっていい日になりますように。
占わない占い師 小鳥遊あめ
BOOK
苦手な人の書籍から学べることもあると思う。
好きなものじゃなくて嫌いなものを知ることで、なぜ自分が好きなものを好きか再認識できる。
苦手なものを言語化できれば好きなものもなぜ好きか言語化できるのではないかと思う。
西野さんは自信満々に話されるし、言い訳もうまい、人を扇動するような発言も取れる方だと思います。
人の考えに流されやすい、ハマりやすい人には注意すべき人物だと思う。