注意展開中のツアー内容に関する記載あり注意

 

 

松山千春

コンサート・ツアー2024

「友よ」
 

 

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(東京国際フォーラム/2024年5月24日筆者撮影)

 

2024年5月25日、ツアー15公演目の東京国際フォーラムに参加したので、その所感(レポート的なもの)を。まずセットリストは以下のとおり。

 

01.季節の中で
(黙礼)約15秒
02.君を忘れない
03.銀の雨
04.Sing a Song
05.祈り
06.君って何だろう
07.愛した日々
08.決意
09.兵士の詩
10.山の向こう
11.です。
12.生命
13.友よ

(Encore1)
14.長い夜
15.人生の空から
16.今日は終らない
17.大空と大地の中で

(Encore2)
18.明日のために

 

座席は二階席の超後方。5月8日の中島みゆきの最後列より少しだけ前。この辺りには一番上方のL11扉から入るが、この扉が私の専用扉のように思えてきた。

 

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去年の松山千春秋のツアーが1階席超後方、同春のツアーが二階席後方。そろそろ1階の前方席にならないものか…。

 

コンサートが終わってフォーラムを出で、歩きながら一人口ずさんでいたのが「友よ」。この日一番のパフォーマンスだと思った。全体的にも比較的安定したパフォーマンスで安心した。

 

他にしっかり気持ちに絡んだのは、久しぶりに聴いた「君を忘れない」、「君って何だろう」「友よ」「今日は終らない」「明日のために」。とくにマインドフルで歌い上げた「君って何だろう」、甲府公演に続いて聴けてよかった。

 

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1曲目「季節の中で」を歌い終わった後、能登半島地震で亡くなられた方々へ会場一同で約15秒間、黙礼を捧げた。

 

一部前半の3曲、「季節の中で」「銀の雨」「Sing a Song」はやっぱり不安定な歌唱。法則のように、高く上がる部分が上がり切らなかった後、すぐ次のフレーズで音程が外れる。

 

とくに「Sing a Song」はセットリストの中である意味一番楽しみにしていた曲だったけど、参加した3公演いずれも不安定な歌唱だった。

 

♪貴方は 何を見つけるだろ~お~お~お~お~お~♬―あと気になったのは無理に入れるそうしたビブラート。この日は「季節の中で」「Sing a Song」「生命」「明日のために」で目立った。

 

とくに「季節の中で」と「Sing a Song」のビブラートは強く、本人も歌いながら”よく歌えていない”と感じていたのだと思う。それをカバーするために入れているように聞こえた。

 

こうしたことを考えると、やっぱり歌のキーを2つほど下げた方がいいような気がしている。そうすれば、高いところも上がり切るだろうし、本来松山千春が持っている高い歌唱力はまだまだ発揮できる。参加者も安心してゆとりをもって聴けると思う。

 

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ぱっと浮かぶだけでも、かつての「父さん」(弾き語り)「都会の天使」「バラード」「ふるさと」のように、東京だからこそ、という曲はなかった。

 

「生命」を歌う前に「今夜、東京で歌っておきたい」と言ったが、それは娘さんとの関係からだと思う。そもそも「生命」は今ツアー、いくつかの他会場で既に歌っている。

 

その時のトーク(要旨)は以下。

 

「俺には月菜という38歳の娘がいる。その娘が俺に言った。『お父さん、孫欲しい?どうやら孫は無理みたい…』。俺は『悲しいこと言うなよ。俺の血を受け継ぐのはお前や孫だけなんだぞ』と言ったが、最後には『お前が健康で、幸せに暮らしていれば俺はそれだけでいいんだ』」(要旨)


と語った後、「今日東京だからこそ、この歌を歌っておきたかった」と語り、「生命」を歌った。

月菜さん夫妻が東京にいるということもあっただろう。もっと膨らませて想像すれば、月菜さん夫妻が会場にいたのかもしれない。松山千春の気持ちと、月菜さん夫妻の気持ちが痛いほど想像でき、涙が出る思いだった。

 

 

ラストの「明日のために」。今ツアー、私が参加した3会場(福生、甲府、フォーラム)すべて「明日のために」だった。このひとつ前の川越公演が「凡庸」だったので、フォーラムでは「明日のために」だろうと思っていたが、「凡庸」を聴きたかった。

 

今回のツアーのメインメッセージと言えるトーク。

 

「みんなここまで様々な障害を乗り越えて来たからこそ、今こうしてここにいる。これからもいろんな障害に見舞われるだろう。でも、どうかそれを乗り越えてくれ」(要旨)

 

そう語った後、「そして乗り越えたらまた秋にこの東京国際フォーラムで会おう。東京、秋にまた来ます」(要旨)と加えて「友よ」に入った。

 

そのトークを聞きながら、マネージャーなど関係者は事前に松山千春に報告していなんだと思った。会場入りした時点で伝えておいて欲しいところ。

 

アンコール3曲、「今日は終らない」まで歌い終えた後、松山千春が「残念なお知らせです。フォーラム、今年の7月から来年3月まで改修工事らしいよ。さっき『また来ます』なんて言うんじゃなかった」(要旨)と訂正していた。

 

「国際フォーラムの代わりに東京23区でやるか、東京都下でやるか。埼玉か、神奈川か。黙って群馬でやってたりしてな。いずれしてもまた秋に来ます」(要旨)と付け加えた。

 

以前にも書いたが、これを機に東京公演の会場は東京国際フォーラムから変えた方がいいと思っている。

 

いずれも2,000人キャパのホール、理想的には23区内で1会場、多摩エリア(府中や八王子)で1会場、合計4,000人ちょっとで。その方が松山千春の良さを発揮したライブが出来ると思う。

 

 

ここは比較で書いて申し訳ないが。

 

5月8日の中島みゆきと今回の松山千春、いずれも二階席超後方、ほぼ同じ位置の座席だった(厳密に言えば中島みゆきの方がさらに後方席)。

 

当然ながら物理的にはいずれもステージまで相当の距離があるわけだけど、中島みゆきの時は「距離感」をそれほど感じなかったが、松山千春の時はそれを感じた。その理由は声量、歌声のパワーの違いだとその場で思った。中島みゆきは二階席の最後列まで強烈、強力な声の塊として届いていた。

 

そうした意味からも、上記と重複するが、松山千春が歌のキーを2つほど下げて、会場キャパは多くても2,000人、できれば1,000~1,500人、のホールで歌った方がいい。

 

松山千春本来の歌唱力の高さをまだまだ発揮し、声のパワーも伝えることができる。自身の思いを赤裸々に伝え、参加者の体温を感じながら語り歌う松山千春のライブスタイルに合っていると思っている。

 

年齢や、いくつもの病を抱えている松山千春の体調を考えても。

 

2曲目の「季節の中で」の後、

 

「俺は長生きするぞ。たとえ不整脈があったり、幕が開いたらそこにベッドがあって横たわりながらも、医者に”歌っていいですか?”と確認しながらでも、70、80、90歳になっても歌い続けるからな」(要旨)

 

健康と体調管理を幾重にも万全に、生活習慣も多少見直しながら、いつまでも歌い続けて、と願っている。

 

(同 上)

 

松山千春「TOUR」