筆者が書いた記事の随筆的なものを。先日、中島みゆきさんの「世情」という歌に関する記事を更新した(下にリンク)。初稿は2019年9月。これまで私が書いたおよそ4,900本の記事中書き上げるまでに最も時間を要した。若い頃学んだ大学紛争やフォークソングの記憶を辿り、再び調べ、関連資料を読んで仕上げた。手応えはあったが、何かパーツがひとつ足りない気がして、折あるごとに読み直して来た。▶初稿では中島みゆきさんが1970年に大学に入学したことまでで、個別大学名はあえて書かなかった。記事を更新する数日前、他の人の中島みゆきさんに関する記事の中に「藤女子大学」と入っているのを見て、拙稿にも一旦それを入れてみた。すると…。▶あえて特定的に書けば学生運動がヤマを越え終息に向いたのは1970年だが、各地のキャンパスにはその余熱はまだじゅうぶんある。北海道の大学紛争と言えば1969年をピークとした「北大闘争」。藤女子大学と北海道大学は至近と言えるロケーション。中島みゆきさんは当時の大学紛争を見て肌で感じているはず。「世情」の下敷きは当時の学生紛争、歌詞にある「シュプレヒコール」は大学紛争渦中のそれ。▶加筆すべき文章が一気に湧いて来た。初稿段階でそこまでイメージしていたものの、大前提にし過ぎていた。早速文章にして挿入してみたところ、上に書いた“足りないパーツ”がぴったりはまった。記事に一本背骨が通り、流れがスムーズになった。大前提部分が文章として欠落していたことにより、論理が飛躍し、しっくり来ていなかった。あ~スッキリした。▶最後にお願いをひとつ。筆者の「世情」記事中、とくに大学紛争に関するくだりに事実誤認や認識欠如などがある場合、造詣のある方からのご指摘を。2024.02.13-(虹)

 

(「世情」収録ALB『愛していると云ってくれ』)