スマホの中に松山千春の好きな曲だけ集めたプレイリスト(タイトル《ノープラン・ノーコンセプト松山千春》)があり、思い出す度ちょこちょこ追加を重ねてきて、現在では27曲、トータル2時間11分にまでなった。それとても『思い出』の91曲の1/3にも達しない。
またテーマを「北海道」「弾き語り」に絞ってのプレイリストもあり、それらもよく聴くが、松山千春のオリジナルアルバムをタイトルごとに聴くことはまずない。
私の中で今もってナンバーワンの松山千春のオリジナルアルバムは1978年発表の『歩き続ける時』。ほかトータル39枚のオリジナルアルバムの中でこれを超える作品はない。
もちろん、『明日のために』『あなたが僕を捜す時』のように、松山千春のキャリアの中での位置づけとして、また私の人生に寄り添ったという意味で、重要でかつ大切にしているアルバムはある。
私の中では『歩き続ける時』に収録されている楽曲はどれひとつとっても捨て曲はない。覚えたてのギターを合わせながら聴いたという意味でも思い出深い曲ばかり。
「帰りたい」「雪化粧」「ピエロ」「歩き続ける時」「寒い夜」…初期の名作と言っていいそうそうたる楽曲たち。その中で当時LPレコードを聴きながら背筋がぞくぞくするほど感動し、私自身の身動きを奪った一曲が「貴方のことで」。
今歌詞を見れば、純真一途な女心を表現し、ともすると聴く方が照れ臭くなるような内容だが、メロディといい、アコースティックギターが前面に出ているアレンジといい、何より全体から伝わる雰囲気は松山千春の良さをまるまる凝縮している。私の中の別ルートのナンバーワンと言ってもいい。
ちなみにこの曲のアコースティックギターは清須邦義氏と安田裕美氏(もしくはそのどちらか)。アレンジは清須邦義氏。
LPジャケットのクレジット、Acoustic Guitarは清須邦義・安田裕美・松山千春と入って入るが、松山千春が弾いているのは「これ以上」だけ。
ライブCDとしてリリースされている1981年の日比谷野音でフルコーラスで歌っている(以下公式音源)。
さらには2000年9月29日、 松山千春・加川良・下田逸郎が高知県のライブハウス ZE/YOで開催した『弾き語りの風景』で弾き語りで歌った(以下音源)。
1981年の野音では、あれくらいアグレッシブなアレンジと歌唱の方がむしろこの曲に合っているのではないか?とさえ思った。
もうライブでは歌わないかもしれない。でもぜひ歌って欲しいと思っている。
昨晩、自分の部屋で久しぶりに弾き語りしていたら、この曲の歌詞とメロディ、ギターコードが自然と湧き出てきた。湧き出て来ないと弾き語りができないわけではない。
(LPインナー/歌詞とともに書かれている楽譜)
公式音源があるはずだと思うけど、どう探してもYouTube上でヒットしなかったのが残念。
松山千春―「貴方のことで」(弾き語り)
-1977年~1978年頃の音源と推察ー
「貴方のことで」
貴方のことで 心の中が
あふれたのなら どうしよう
もしも 私が いつかあなたに
きらわれたなら どうしよう
もう私 あなたしか みえないみたい
もう私 あなたしか 愛せないわ
愛することを 教えてくれた
あなたがいつも そばにいて
その手のばして 私の肩を
強く抱きしめて いてほしい
もう私 あなたしか みえないみたい
もう私 あなたしか 愛せないわ
貴方にならば 私の命
ささげたとしても 悔はない
あなたのために 生きて行くなら
この人生に 悔はない
もう私 あなたしか みえないみたい
もう私 あなたしか 愛せないわ
愛せないわ