『もうすぐ死に逝く私から
いまを生きる君たちへ
―夜回り先生 いのちの講演』
(水谷修/鳳書院/2022年10月15日)
「あのブックレビューを読んだら、その本を読みたくなった」「あのレビューを読んだら、その本を読んだ気になった」―そう言われることほど嬉しいことはない。
読みながら涙が止まらない。詳細にレビューを書こうと思ったが、そうではない。この本は、と言うよりもこの方は、つべこべレビューを書くよりも、とにかく読めば分かる。そこから伝わるものははかり知れない。
「あのとき、こうしていれば……」
「こうできたのではないか……」
「こうすべきだったのではないか……」
何度、この戦いをやめようと思ったかわかりません。それでも戦い続けてきたのは、かかわった子どもたちや若者たちのほとんどが笑顔になって、昼の世界に戻ってくれたからです。
彼らや彼女たちから届く「ありがとう」の一言が、私たちの原動力です。(71㌻)
____
(出版社コメント)
本書の巻頭で、著者はこう綴っています。この本は、もうすぐ死に逝く私から、いまを生きる君たちへのメッセージです。私は、君たちに伝えたい。「生きていてくれて、ありがとう」「いいもんだよ。生きるって」高校教諭をしていた著者は、教え子が薬物乱用によって事故死したことをきっかけに「夜回り」を開始。これまで30年間にわたって、ドラッグ、不登校・ひきこもり、児童虐待、さらに貧困や東日本大震災後の若者の支援などの活動を展開してきました。本書では、66歳になった著者がどうしても子どもたちに伝えておきたい「いのちの尊さ」を、「いのちの講演」として語り残したものです。生きてください。 生き抜いてください。著者が発信する渾身の叫びを、一人でも多くの読者、とりわけ子どもたちの心に届けたいと願っています。
(著者/同書64㌻)
(もくじ)
マサフミ
雄也
夜眠れない子どもたち
人を笑顔にするために生きる
優しさで満ちあふれたら…
本当のコミュニケーション
体と心は一体
幸せになる権利
亜衣
いのちの糸
____