【8月25日記事】
長渕剛ツアー2022中野サンプラザ公演(初日)
8月24日の16:32にスポニチが、同日22:53には日刊スポーツが、8月20日に公開された長渕剛・昭和女子大学人見記念講堂でのライブレポート映像を取り上げていた。
公開後4日も経ってから取り上げた意図は分からないが、昨24日の中野サンプラザ公演(初日)に関連しての掲載だろう。
長渕剛本人とバックバンド、音響、照明…すべてにおいて完璧で見事なライブだった。ここ数年参加して来た何人かのミュージシャンのライブの中では突出して素晴らしかった。
長渕剛の、コロナ禍開催にも関わらずルールを一切守らないパフォーマンスと発言、一部狂信的な参加者の応援態度を除けば。他の会場に参加した友人からの事前情報はあったが、これほどひどいとは思ってもみなかった。
長渕剛本人が最初からルールを守るつもりはまったくなく、参加者に合唱や雄たけびを求めていた。多くの曲で「YOU SAY‼」と参加者に歌うことを求めて、会場前方席に歌わない良識あるファンがいたのだろう。その辺りを見ながら長渕剛がマイクを通して「何びびってんだよ!」と、合唱を強制していた。
本意は違うところにあり、言葉足らずだったと解釈してあげても、長渕剛が「コロナ、大したことはありません!恐れるに足りません!」と、自分が罹ったがゆえの変に吹っ切ってしまったかのような発言は、60過ぎの社会人がステージからマイクを通して発する言葉ではない。
一部、と言っても参加者の多数を占めた狂信的な参加者(彼ら彼女らと同列に”長渕剛ファン”と言われたくもない)も開演前から歌の最中も「剛コール」や「ヘイ!ヘイ!」と大声を上げていた。
さらには公演中にステージを自分のスマホで撮影しているその類の参加者もいるわ、規制退場のアナウンスははなっから無視してどんどん退場していた。1階席フロアだけ見ても、1/3強はすぐに退場していた。
ルールを守る良識的なファンもごく一部いたが、長渕剛本人と上に書いたような参加者が圧倒的多数を占めるホール内では、ほとんど駆逐されていてなす術もない。
コロナ下でのライブで、こういうミュージシャンと参加者は、他のミュージシャンのライブでは見たことがない。あまりに非常識でマナーが悪すぎる。
コロナ禍とコロナ前のライブの違いは、ただ単に参加者がマスクを着けているかどうかだけ。
”これが俺の、剛のライブスタイルだ!コロナにビビってるなら来るな!”的な無言の圧力。
「みなで決めて約束した社会的なルールを守れないのであれば、ツアーはやるなよ」―それが筋だろう。
今夜も、今後の会場も昨晩のような長渕剛の振る舞いと一部参加者の応援態度は改善されないままで今ツアーを終えるだろう。
今夜、中野サンプラザ公演2日目も参加するので、ライブ自体は楽しみにしている。昨日とは違ったセットリストも数曲入って来ると予想する。
その前に、昨夜の腹立たしい、を通り越してあきれた、冷笑するしかない気持ちを一旦この記事で整理しておく。
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【8月26日記事】
長渕剛ツアー2022中野サンプラザ公演(2日目)
中野サンプラザ公演2日目(今回は2日間参加)
15曲目の新曲(未発表曲)、長渕剛らしい視点と言葉選び、メロディ、よかった。孫の誕生を喜び祝った内容だが、自身の長男が生まれた時の心境から、今は亡き長渕剛のご両親のことまで歌詞に入れた、長渕家4代を思った優しさあふれる曲だった。
長渕剛とサイドボーカル(コーラス/女性3名)含めて合計9名で、あれだけの重厚感と威力のある演奏を、手の込んだ照明ととともにステージに近いほぼセンターの席で体感できたのは本当によかった。
「その曲、もういいよ」というのが何曲もあったが、その場合でもバックの演奏、バックミュージシャン達のパフォーマンスを楽しむだけで十分価値がある。
「コロナ、大したことはありません!恐れるに足りません!」と昨日と同じことを言っていたが、すぐその後に「こう言うとまたたくさんクレームが来るんだけど」と入れていた。
また昨日よりも何十倍も言葉を使って、その意味するところを長渕剛が説明していた。だからと言って、その長渕剛の発言に対するこちらの受け止め方が変わるわけではない。
コロナは人により症状も後遺症も千差万別。今もコロナに苦しむ人や、その人たちを救おうと必死に戦っている人たちを思うと、自分が3日で治ったことを一般論化し、「大したことはありません」という短絡思考はなかなか出て来ない。
もちろん長渕剛がどういう思考で、どういう考えを持とうがそれを否定するものではないが、あの長渕剛という存在と立場で、ステージから公言することではない。
昨日のように長渕剛が参加者に合唱を強制する場面はなかったが、歌うよう煽る仕草を何度もしていた。参加者も、昨日よりはまだ少しはマシ、程度。
自分が楽しければいいのだろう、手製のひまわりの大きなうちわを、周囲の方々の迷惑はまったく考えずに高く掲げて振っている人、マスクを外して大声で「剛コール」する参加者。飲食禁止のホール内で平気でペットボトルで飲む参加者…無法者の数はいちいち挙げたらきりがなく、面倒なので書かない。
中野サンプラザ公演2日間ともに、長渕剛は参加者に合唱や大声を出すことを煽り、参加者も大声で「剛コール」、大声で歌っていたからと言って、次の9月3日の岡山市民会館公演が中止になるわけがない。
仮にこのホールでの長渕剛ライブがコロナの感染源だったとしても、何ら行動制限をかけていない中、東京でも一日、1万~2万単位で感染者が出ている状況では、ホール内を感染源だと特定するのはまず無理だろう。
その状況の中、”やったもん勝ち”的な土俵の上で、ルールをはなっから無視してライブを行うのはフェアじゃないし、長渕剛がこれまで言ってきたこと、やって来たこととは矛盾している。
良識的なファンの声もネット上で見かける頻度が高くなってきた感はあるが、それらが長渕剛に届くことはあるのか?届いたとしても改善することはないだろう。現在のままま最終公演まで進むのだろう。