大阪、兵庫への旅の最後、帰京する6月18日の朝、大阪・北浜にある「適塾」(適々斎塾)を初めて訪問することができた。

 

言うまでもなく「適塾」は緒方洪庵が大坂船場に開いた蘭学の私塾で、1838年(天保9年)開学。幕末から明治維新にかけて福澤諭吉、大村益次郎ら多くの名士を輩出した。

 

「緒方洪庵肖像」

 1901年(明治34年)五姓田義松画 

大阪大学適塾記念センター蔵


山口県萩にある吉田松陰の叔父が開設した私塾であり、後に吉田松陰が塾頭になる「松下村塾」と双璧をなす、人材輩出の私塾。

 

「適塾」はまた現在の大阪大学を形成した源流のひとつで、大阪大学ホームページではそのことを詳細に伝えている。

 

「適塾」は「現存するわが国唯一の蘭学塾の遺構であり、江戸末期の大阪の船場町屋の遺構としても貴重なものであって、昭和51年から実質5年を掛けて解体修理を行い、修復を機に広く一般に公開している」(大阪大学ホームページ)。

 

1964年(昭和39年)に国の重要文化財に指定されている。

 
師・緒方洪庵を囲み当時の塾生たちが日本の未来を見つめ、きっと熱く語り合ったであろう当時の様子を想像した。
 
学生時代からずっと訪問したいと願ってきた。あれ以来32年も時が流れてしまったが、今回訪問できてよかった。