<2023.2.20再掲>
<2022.2.21記事>

 

 

2022年2月20日
「松山千春
 ON THE RADIO」
 

 

2月20日が松山千春の亡き姉、絵里子さんの誕生日、ご存命であれば72歳(2022年現在)であることから、番組の随所で絵里子さんとの思い出を語り、絵里子さんと思い出の深い曲をかけた。以下にその語り全文とかけた楽曲を掲載した。

__

 

絵里子さんの誕生日と聞けば、必ず思い出す松山千春のトーク。1998年12月18日、19日に開催された松山千春横浜アリーナ公演。この時は、亡き絵里子さんを思い、松山千春らしい、涙なしには聞けない内容だった。そのトーク全文を以下リンクした記事の後半に掲載している。

 

__


(24分8秒~)

2月20日、ふと思い出したら、俺の死んだ姉ちゃん、松山絵里子、絵里子の誕生日なんだよなぁ、2月20日はな。

 

あいつは三田明さんが好きでなぁ。その前後かな?グループサウンズ、「ザ・タイガース」、ジュリー、ジュリーよりも、加橋かつみさんだっけ?彼のことを好きだったのかなぁ。とにかくタイガース、タイガースでね。

 

帯広でコンサートがある…学校では“高校生がそんな所行っちゃいけない!”―それなのに姉貴は頑張ってタイガース、聴きに行ってたもんなぁ。まぁ、そうやって考えたらな、ま、姉弟だし、音楽が好きだったっていうのはねぇ、弟も含めて、みんな一緒だったなぁと思います。

ザ・タイガース「君だけに愛を」

 

 

(34分47分~)

(姉の)絵里子の誕生日、ということもありますしね。絵里子が持ってきたPPM、とかねぇ。ブラザーズ・フォア…彼らのフォークソングを聴いて俺は、“ああ、こういう歌があるんだぁ”…そしてそれがいつの間にか反戦歌、ベトナム戦争の真っ最中でしたから…。まっ若い子はベトナム戦争も知らないわな。反戦歌に使われるんですけど。

 

やっぱり詞の内容がですねぇ、「花はどこへ行った」という曲なんですけど、いわゆる野に咲く花をですね、少女が摘んで行った。で、男性に渡した。その男性は兵隊として、戦争へ行く。そして兵士が帰ってきたら、お墓になっていた、そのお墓に花を手向ける。

ジョーン・バエズ「花はどこへ行った」

(原題 Where have all the flowers gone?)

 

 

(50分12秒~)

NACK5をお聴きのみなさんはこの放送が始まる前に「足寄のスーパースター松山千春 45年の時代(とき)をこえて」というね、番組を聴いていただいたんではないかなぁと思いますが。

 

まぁ、5人家族の中で、俺が一番調子よかったのかなぁ、歌なんか歌ってなぁ。要領が悪かったのは弟かなぁ。まぁ、あいつは大学を出て、教員になる予定が、“ちょっと無理だなぁ~”って感じになってな。クラッシックの方のレコード会社へ行って。

 

(左:絵里子さん、中央:明人さん、右:松山千春)

 

姉ちゃんはそれこそ、もう死語に近いけど「集団就職」で高校卒業して東京へ行って。まぁ、あいつなりにいろんなことがあったんだろう。あいつはもともと文章書くのが好きで、あいつ、小説家になりたかったんじゃないかなぁ。その割には酒を覚えてしまってさ、俺もその、(絵里子さんが)ビール、ガブガブ行くんだよ。そしたらさ、俺が見たこともないようなデブった姉ちゃんになっちゃってさぁ。「お前大丈夫かよ?そんな体して」って言ったら案の定、体を支え切れなくなったんだな、足首を骨折してよぉ。「なぁ、だから言ったろう、お前。そんなに飲んで飲んで太っちゃダメだよ」…でそれから退院して、酒もほどほどにして、普通の体になって行ったんだけどなぁ。

 

残念ながら、舌癌…と言うね、ベロにできる癌で早くに亡くなってしまいましたけど。絵里子が、俺に対して喜んでくれたのは、俺がデビューした云々よりも、「季節の中で」っていう曲が春のセンバツ甲子園の行進曲に選ばれた(第51回選抜高校野球大会/昭和54年・1979年)ことに、すごい喜んでくれて。「千春、やったね~!お前、これ最高だよ!何よりもいいよ」…あの時は喜んでくれたなぁ。

 

(昭和54年/1979年3月27日甲子園球場にて 写真集「激流」より)

 

うちの母さんはな、「お前、なして紅白歌合戦に村田英雄さんと一緒に出てくれないんだ」…これが必ず、口癖だったからなぁ。

 

それから考えたら、姉ちゃんはねぇ、知ってたから。我々フォークシンガーがそういうテレビと言う媒体を使いながら、歌っていくもんじゃない、ってことをな。やっぱりひとつひとつのコンサートをしっかりやりながら、みんなと同じ時代を過ごすんだ、という肌感覚をいつでもフォークシンガーは持っていなければいけない、テレビに出て、芸能人と呼ばれて普通の人とは違った生活を送るような、そんなのはフォークシンガーじゃない…その絵里子が「季節の中で」を出した時は、心底喜んでくれました。

俺にフォークソングっていうジャンルがあるのを教えてくれたのも、絵里子でしたからね。まぁ、今日がやつの誕生日、72回目の誕生日だったんですけど、今回最後の曲は


松山千春「季節の中で」

 

 

 

(LIVE映像) 「季節の中で」(3分45秒~)

松山千春コンサート・ツアー2021 「敢然・漠然・茫然」 

at 鹿児島川商ホール