<2023.10.13>再掲

<2023.8.7>

 

 

2023年8月6日放送の「松山千春 ON THE RADIO」

この日が米軍による原爆投下から78年となる「広島 原爆の日」であることから、改めて「戦争は人間が起こす最大の愚行」としたうえで、「フォークシンガーとして歌って来た自分自身は、反戦を歌った歌も多くある」と語り、自曲の「時代」をかけた。

 

 

次いで「日本はもっともっと平和に貢献できることがあるはず」として同じく「最後のチャンス」をかけた。

 

「最後のチャンス」公式音源は以下のオリジナル記事中に挿入。

 

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<2021.8.16記事>

 

 

「終戦の日」、8月15日に放送された「松山千春 ON  THE  RADIO」で、松山千春が平和への思いを語っていた。

 

(43分18秒時点)

「終戦の日」ということで、8月15日。やっぱり我々は忘れてはならない日だし、広島、長崎に原爆が投下され。(中略)戦争というやつはやっぱり人間が犯す一番愚かな行為だと思います。やってはならない、何の得にもならない、愚かな行為だと思います。しかしその戦争で亡くなった方々を愚かな人だとは思いません。やっぱり、多くの犠牲…その上に我々の今の平和な日本の社会があるわけで。(後略)

(53分30秒時点)

毎年、終戦の日に思うことはもう二度と戦争が起きないように、また今世界各国で内戦状況になるような所が、平和に話し合いで解決できるようにと思います。

松山千春、「最後のチャンス」

 

「最後のチャンス」については8月6日に書いていた。放送前に、かかる曲を当てるのは至難の業だが、偶然とは言え、思いを乗せて書いていた曲(記事)と同じ曲を松山千春がかけたことは嬉しかった。

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<2021.8.6一部編集、公式音源挿入>

<2019.4.22記事>

 

 

松山千春「兵士の詩」(2003年)
 

平和の出発点は一人の人間だし、君と僕だし、家族だったりする。いい視点でタイトルも歌詞の一部も作られていると思う一方で、であるからこそ「君と僕」、「マリア」連呼から脱してもう一歩踏み込んで、よりメッセージ性の強い歌詞に仕上げたら完璧だったと思う。
 

「僕が恐れるのは 戦車ではなく 何度もくり返す 人の心」


人間の心には、相手を思う優しさがあり、人々と仲良く生きていたいとう共存の心もある。他者への不信もあれば、他者を自分の意のままに動かしたいという心もある。

こうした心がどれかひとつの状態に固定されるわけではなく、外界の縁に触れて、自分の中にある様々な心が表れてくる。出発点はいつも人間の心。

他者の言動に縁して、他者への不信や意のままに動かしたい心に駆られれば、それが暴力などに繋がり、大きく言えば殺人や戦争・紛争へと繋がる場合もあるだろう。


問題の本質は”同じことを繰り返す人間の中にある、そうした心”。
 

20世紀はこの衝動に駆られた戦争の世紀だったという認識は社会に定着している。

世界平和に向けての地道な対話を理想論として片付ける場合がある。

直接会って話すという外界の縁によって、お互いの中にある共存の心、信頼の心を呼び起こすのである。こうした対話が広がれば、自ずと信頼と平和を願う心も広がる。

 

そう信じて行動を起こしている人を誰も批判することはできない。

ごらん膝まづき 神様に祈る 人々を踏みつけて
権利も自由も平和も願いも 粉々に踏みつけて
誰も求めてたわけじゃないさ 

けれども誰もが 気付いていたはず
<松山千春「いつの日か」(1985年)抜粋>

戦争、紛争なんて誰も求めちゃいない。そしてそれらを引き起こす原因は、いつも人間の中にあると気付いているはずだ。



(2017年8月筆者撮影/広島)
 

松山千春「最後のチャンス」

 

2001年5月12日、デビュー25周年記念ツアー初日、埼玉スーパーアリーナ。

 

横浜アリーナより大きいこの会場に入った瞬間、「25年経っても、こんなにも多くの方々が松山千春の歌を聴きに来ている!」―本当に嬉しかった。

 

この時聴いた「最後のチャンス」(1998年/アルバム『笑っていたい』収録)は、映像で今でもよく覚えている。歌のバックに世界情勢を伝えるような映像が流れる。歌と映像がよくマッチしていた。

 

 

やがてこの世界中の 誰も彼もが笑顔で
いつも暮らしていられる そんな日がくる

 

無駄な戦いを続け 人は傷付き疲れる
君が愛した人さえ どこにいるのか

 

山はあわれな姿に 海は赤く血に染まり
君の大切な空は 黒く垂れこめ

 

もし この世に神様がいるのなら
僕 いつでも 深い祈りを捧げる

 

だから 最後のチャンスを みんな失いかけてる
心 取り戻すための 時を与えて


自由 それはわがままに生きて行く事ではなく
認められたい誰かを 認めなければ

 

強い者に媚びを売り 弱い者を見下して
そうさ 自分自身さえわからなくなる

 

もし この世に神様がいるのなら
僕 いつでも 深い祈りを捧げる

 

だから 最後のチャンスを みんな失いかけてる
心 取り戻すための 時を与えて

やがてこの世界中の 誰も彼もが笑顔で
いつも暮らしていられる そんな日がくる

 


いつの日か戦争、紛争がない時代が訪れるように。世界に平和が訪れて欲しい。

単に戦争、紛争がない合間の時期を「平和」と呼ぶような結果論的で消極的なものではない。

 

世界の人々がお互いを尊重し合い、その国や地域の問題を我がこととして引き受けて、それぞれ今いる場で平和構築のための行動を起こす。

 

誰も彼もが笑顔で暮らしていられる、そんな日を目指して。




(2016年12月筆者撮影/長崎市)