さて、朝から19時過ぎまで息つく間もなくよく働いた。

帰宅すると同時ぐらいに家内からLINEが入った。

 

「21時過ぎ、〇〇ちゃん(長女)と●●(長男)を駅に迎えに行ってきて。私は20時半から友だちとZoomで話すことになっているので、行けないの。二人には言ってあるから。雨降ってるから気をつけてね」

 

夕食を済ませ、残り30ページほどの読みかけの本を一気に読了して迎えに行った。

 

かなり強い雨が降っている。フロントガラスや車体を叩く雨音は大きいが、何となく風情があり、もの思いたくなるこういう情景は嫌いではない。

 

雨音を聴きながら運転していて、松山千春の歌で、似たような雨音が入っている曲あったけど何だったか…。同じように雨音が入っている「雨の向こうに」ではない。「ひとりじめ」でも「雨の夜」でもない。ん~「情景」でもない。

 

雨に纏わる歌詞をいろいろ思い出しても、違う。結構気に入っている曲だったぞ…。何だったか…。どうにも思い出せない。子どもたちを待っている車中、もやもや感が増す。雨音なんだよな。

 

…。フルート的な音と最後はアコースティックギターのストロークで終わり、雨音が入る…。そうそう、「君ってなんだろう」。それ。

 

曲の頭にも雨音が入る。歌詞の中には一切雨という単語はないし、心境を雨に例えた表現もないけど、いつまでも別れた女性を思う湿っぽいにもほどがある男性の心境を歌う。確かに歌全体から伝わるイメージは雨。雨音が響くほどに降っている。

 

松山千春がそう指示したのか、アレンジャーの夏目一朗が原曲を聴いてそう感じたのか分からないが、歌のイメージとシンプルなアレンジがよくマッチしている。

 

ともあれ、やっと思い出せた。気に入っている曲と言いながら、すぐに出て来ない。それでどうした?という話しではない。思い出せたことで留飲が下がるよくある話し。

 

 

帰宅して、『思い出』のそれをかけながら、合わせてギターを弾いて、その流れでこの稿を書いて今日は終わり。今も雨音が響く。

 

梅雨とは言いながらも、「季節はとうに 春から夏へ 街ははなやいでるのに」、コロナは相変わらずそこにいる。

 

 

 

もう君は新しい道 
歩き始めたの
僕はまだあの日のまま 
時が止まってる

季節はとうに 春から夏へ
街ははなやいでるのに

仕事場を 変えたから 
まだ少し慣れない
でも前よりは 給料が 
ずい分といいから

暑くなったね 日差しも高い
今年も海には行くの

 

愛って何だろう 今もわからない
君って何だろう 心が痛い


そういえば久しぶりに 
あの店に寄ったよ
酔っぱらって
随分と迷惑をかけたね

ボトルに書いた文字があの日の
二人を物語ってた
カラオケもさそわれるから
行く事は行ってる
でも歌えない歌がある 

歌う気になれない
そんな時に限って誰か
歌い出すものなんだ

愛って何だろう 今もわからない
君って何だろう 心が痛い

愛って何だろう 今もわからない
君って何だろう 心が痛い

 

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「君ってなんだろう」

2000年5月10日リリースのアルバム『La La La』の10曲目収録

2020年3月25日リリースのアルバム『思い出』DISC-5の7曲目収録