今年3月25日に松山千春がリリースした6枚組91曲収録のCD「松山千春コレクション『思い出』」。リリース前の今年2月9日、松山千春が自身のラジオ番組でこのアルバムについて語っていた。
「今から楽しみにしてほしい。永久保存版です。このCD、大切にしてほしいと思う。ぜひとも聴いてみて、その時自分がどんな状況だったか、相手はどうだっただろうか、そんなことを思ってくれればありがたい」
購入以来これまで4回通しで聴いた。それぞれの曲に自分自身の様々なシーンがあるもので、いろいろ思い出しながら楽しめた。
オリコンで確認できた限りでは、売上的には3,000枚超。最終的に5,000枚までいったかどうか、10,000枚までは届いていないだろう。
若い人たちからすればアルバムタイトルに「思い出」という単語が入っていること自体が、古さ、前時代的なものを感じさせるかもしれない。
多くの人に聴いていただきたいという思いからすれば、それと逆行するような9,000円という高額さ。91曲という多さがまずそうさせたのだろう。新録音やボーナストラックもない。コアなファンでも買わなかった方が多かったと思う。
曲数をみれば、おそらく本人の選曲作業は、既発表アルバムの中からファースト・インプレッションを大切にしたのだろう。そこからさらに厳選したという感じは伝わってこない。
30曲ぐらいまで厳選して、値段を4,000円程度まで下げる。また、すべて新たに録音したり、何らかのボーナストラックがあればまた売り上げは違っただろう。まあ、このアルバムのコンセプトからすれば、当時のままでこそ思い出が蘇るわけだから、新録音したらそれがなくなってしまうかもしれないが。
個人的には、その時その時のシーンが蘇ってきた曲が多いという点で、DISC-1が最もよかった。これらの曲は私が中学生、高校生当時にリリースされている。
松山千春に一番熱狂していた時代。今も変わっていないが、ある意味今以上に松山千春の存在自体が自分の中で多くを占め、いつも松山千春の歌が日常の中に刻み込まれていた。
それにしてももう40年以上も聴き、ずっと追いかけ続けているのかと改めて思った。
DISC-1 収録曲
1.愛は物語
2.星をかぞえて
3.ラブ・ソング
4.北風の中
5.愛にまぎれて
6.愛は気まぐれ
7.忘れたい夜
8.夢をのせて
9.粉雪
10.夢の中
11.明日が見えない
12.6月の雨
13.あの日のまま
14.愛って呼べるほどのもんじゃない