松山千春コレクション「思い出」。オリコンでは発売日前日の3月24日に22位、25日、26日はともに30位内に入っていない。明日明後日でひと波来て欲しいところ。

 

松山千春コレクション「思い出」のリリースを発表した2月9日の自身のラジオ番組で語っていた。

 「今から楽しみにしてほしい。永久保存版です。このCD、大切にしてほしいと思う。ぜひとも聴いてみて、その時自分がどんな状況だったか、相手はどうだっただろうか、そんなことを思ってくれればありがたい」

 

DISC-3、4曲目「バラード」。1989年4月25日リリースのアルバム『STANCE』6曲目収録。

 

この時私は大学4年。大学内でいくつかの役を与えられ、さらに就職活動も始まり、忙し過ぎてこの頃のことは具体的に覚えていない。おそらく前日に買いに行ったと思うけど、それさえも記憶にない。ただ、リリース当時から「バラード」が大好きで、この歌の世界に入り込んでいた。

 

去年(2019年)の5月17日、東京国際フォーラムでのライブに行ったが、ここで突如「バラード」を歌った。これがよかった。

 

後日放送の自身のラジオ番組で「東京2日目では、少し曲を変えた。メンバーに無理を言って『バラード』を歌った。自分が作った歌なんだけど、自分自身が歌の世界に入り込んだ。酔いしれてしまった」と語った。以下は関連拙稿。

 

松山千春「バラード」―”自分が作った歌だけど、自分が歌の世界に入り込んで酔いしれてしまった”

 

リリース当時から今でも、私の中で、松山千春楽曲中最高峰のひとつである。

 

 

10曲目「あの頃」。1990年11月10日リリースのアルバム『男達の唄』8曲目。

 

このアルバムでは何といっても「途上」「男達の唄」「自分らしく」そして「あの頃」

「あの頃」はどこがどうと説明できないが、リリース以来大好きな曲である。

 

「男達の唄」は同アルバムに先行して同年9月25日にシングルとしてリリースされている。

瀬尾一三氏の、躍動感、疾走感溢れるアレンジは見事。その直前に「夜のヒットスタジオSUPER」で「人生の空から」と「男達の唄」を歌っている。

 

リリース当時、社会人一年目の秋。

何も分かっていないのに、分かっていないからこそ、社会の矛盾みたいなものに常に怒りを覚えていた頃。当然、今だったら何もひっかかることはないことばかりだが、若さ、未熟さだけが先立っていた頃。思い出すたびそんな自分が恥ずかしい。

 

学生時代、2年間親友とルームシェアしていた部屋を卒業と同時に出て、新しい地で新しい八畳一間のアパートに引っ越した。ベッドを入れ、そこに座って上に書いた「夜のヒットスタジオSUPER」に見入った。松山千春のカッコよさに惚れ惚れしたのをよく覚えている。

 

こうした曲、アルバムから、大学4年から社会に出たてのあの2年間の「思い出」が蘇る。

 

 

日々世界的に拡大し続ける新型コロナウィルス。いつ終わるとも知れない事態の中での閉塞感。職場では毎日遅くまでその対応に目まぐるしい忙しさ。

 

こうした前代未聞の事態への対応は、コンピテンシーレベルで間違いなく力が付くと思うが、あまりの激しさに疲れてきた。

 

何年後かにアルバム「思い出」を聴いてリリースの今を思い出す時、一番の思い出としてそこに真っ先に出てくる単語は間違いなく「新型コロナウィルス」、体が思い出すのは間違いなくこの疲労感。

 

 

(DISC-3)

1.恋人達の季節    
2.マイ・ラブ    
3.愛に近づいて    
4.バラード    
5.君と愛のために    
6.SWAY    
7.それだけの愛    
8.センチメンタル    
9.街の灯り    
10.あの頃    
11.愛の嵐    
12.恋愛    
13.置き手紙    
14.微笑    
15.陽だまりの中