<2024.06.22>🔗記事挿入
<2021.06.20>加筆・修正、写真挿入
<2019.07.24>起稿

 

 

(2019年)7月11日の朝日新聞(夕刊)に、(まだまだ勝手に関西遺産)滋賀の名物散髪屋 全国の友よ「長渕ヘア」に乾杯【大阪】 という記事が掲載されていた。

 

滋賀県近江八幡市にある「スーパーヘアーまほうの手」は野田光徳店長が営む小さな散髪屋。野田店長が研究を重ね、10年以上かけて100種以上のすべての長渕剛髪形をマスター。「長渕ヘア」が店の名物になり、全国から長渕ファンが集まる。

 

「長渕ヘアは耳の後ろなど要所を刈りすぎると別人になる。文字通り、危機一髪の髪形で、野田さんの高い技術は口コミで広がった」と言う。

 

その野田さんのお父様が13年前に他界。その時長渕剛の「鶴になった父ちゃん」に支えられたそうだ。以来長渕ファンに。

 

自分の父親が他界し、この曲に支えられ、この曲を愛する長渕ファンは多い。

鹿児島中央駅前で長渕ファンが集う居酒屋を経営するマスターも、亡きお父様の命日にこの歌を弾き語りする。マスターの携帯電話着信音はお父様逝去以来ずっとこの歌。

 

(長渕剛 2017年12月 鹿児島アリーナ)

 

「鶴になった父ちゃん」、2007年5月にリリースされたアルバム『Come on Stand up!』に収録されている。

 

長渕剛のお父様(邦治氏)の逝去(2006年4月23日)に際し、お父様への感謝を捧げて歌った。

 

この曲に限らず、「LICENCE」「MOTHER」「ふるさと」「コオロギの唄」「かあちゃんの歌」「Can you hear me?」…長渕剛が家族や故郷を思って歌う曲たちには長渕剛の良さが凝縮されていて、ストレートに綴る思いに、自然と涙が流れる。

 

2017年12月30日、31日の両日、長渕剛の故郷、鹿児島アリーナで開催されたライブで、お父様の生い立ちを語り、お父様との思い出を辿った後、この歌を感動的に歌い上げていた。

 

長渕剛とお父様との思い出の地である鹿児島県の宮ケ浜(指宿市)や出水高尾野(出水市)などでの具体的な情景を歌いながら、人間誰もが持つ普遍・不変の親への理屈抜きの感情を吐き出すように歌う。瀬尾一三氏のアレンジが曲の世界を一層引き立たせる。

 

「もしも もう一度 逢えるならば
父ちゃんに やっぱり 逢いたい」

 

「俺の父ちゃん…ただ生きていてくれるだけで
本当は 本当は よかった」

 

「この世で一番俺を愛してくれたから
ずっとずっと俺の心に住みついているから」

 

普通の歌詞に聞こえるが、魂からの父への思いがないと、そうそうこうした言葉は出てくるもではない。

 

( 同上 )

 

もしももう一度逢えるならば、やっぱり父に逢いたい、母に逢いたい。

かりにどんな状態だったとしても、親はただ生きていてくれるだけで有り難い。

 

はかり知れない深い深い愛情を注いでくれた。

生きている時よりもむしろ他界してからの方が、心の中にいつも一緒にいる感が強い。

 

想像すれば、今頃父と母が山の頂に並んで座って、光輝く下界を見渡しながら、私たちや孫たちのことを笑顔で語らっている気がしてならない。

 

あの父と母のもとに生まれて本当によかった。

 

 

もしも もう一度 逢えるならば
父ちゃんに やっぱり 逢いたい
あの日のでっかい 背中にしがみつき
おもいっきり 甘えて みたい

幼い俺を 父ちゃんは バイクに乗せて
宮ケ浜に いつも連れてってくれた
浜の西に沈む 夕陽が赤く揺れていて
海よりも 限りなく 優しかった

俺の父ちゃん…ただ生きていてくれるだけで
本当は 本当は よかった
俺の父ちゃん…最後の最後まで
俺の名を 呼んで くれたよね

俺は今 国道3号線を とばし
東シナ海を左に見て 山並ハイウェイ
米野津川を渡り 記憶をたどれば
出水 高尾野の原野に 雪が降る

父ちゃん綺麗だなあ
1万5000羽の鶴の群れたちが

シベリアから飛んできたよ
父ちゃん綺麗だなあ
雪降る空から今天使のように

一勢に舞い降りているよ


もしも もう一度 逢えるならば
父ちゃんに やっぱり 逢いたい
澄みわたる 冷たい 風の中で
おもいきり あたためて 欲しい

さらに 高尾野の原野に 降り積もる
しんしんと しんしんと 雪が降る
白銀の空から舞い降りて来る鶴よ お前の
命の 叫びが うれしい!

俺の父ちゃん…ただ生きていてくれるだけで
本当は 本当は よかった
俺の父ちゃん…最後の最後まで
俺の名を 呼んで くれたよね

大切な人と もう二度と会えなくなったけど
これ以上もう泣くのは止めちまおう
この世で一番俺を愛してくれたから
ずっとずっと俺の心に住みついているから

父ちゃん綺麗だなあ
1万5000羽の鶴の群れたちが
シベリアから飛んできたよ
父ちゃん綺麗だなあ
雪降る空から今天使のように一勢に舞い降りているよ

La La La La