せっかく、マイ丼セットを用意してきているので・・・
「橋本製麺所」
![橋本製麺](https://stat.ameba.jp/user_images/20151003/16/takamatsu1001/5b/bb/j/o0800060013443026349.jpg?caw=800)
そう・・・ここは、旧高松市内では少なくなった
myドンブリ持参店・・・
あの、有名なロケ番組も、ここを訪れちゃったりしています^^
![橋本製麺](https://stat.ameba.jp/user_images/20151003/16/takamatsu1001/ab/d4/j/o0768102413443025958.jpg?caw=800)
ドンブリを持参して「うどん玉」を購入・・・
1玉70円也・・・
![橋本製麺](https://stat.ameba.jp/user_images/20151003/16/takamatsu1001/9c/20/j/o0585102413443025066.jpg?caw=800)
持参したダシ醤油やら、薬味などをかけて、
こちらの席に座って食べる・・・
って言うのが、この店の流れですね。
![橋本製麺](https://stat.ameba.jp/user_images/20151003/16/takamatsu1001/bb/18/j/o0768102413443025065.jpg?caw=800)
![橋本製麺](https://stat.ameba.jp/user_images/20151003/16/takamatsu1001/6d/75/j/o0768102413443025955.jpg?caw=800)
正直、あんまり期待はしておらず、
この店の大将(おっちゃん)に会えたら、
それでイイわ・・・って感じでの訪問だったのですが、
意外にも、モチモチってした食感が持続していて、イイ感じの「うどん」でした。
![橋本製麺](https://stat.ameba.jp/user_images/20151003/16/takamatsu1001/ef/6f/j/o0768102413443025957.jpg?caw=800)
オッちゃんが横にイスを持ってきてドカッと腰かけてきて、
僕の食べる姿を覗いてきたので、
なんかテレ隠しの意味で、思い切って話しかけてみます。
この店は、マイ丼持参店なのに、遅くまで頑張ってるんですね・・・とか、
前に来た時は、オッちゃんよりも若い方が、
やってらしたの・・・アレって息子さんですか?とか・・・
色々と話しかけてみたら、気さくな感じで、色んな答えが返ってきました・・・
営業時間は、笑いながら・・・うどん玉があったら、夕方まで開けてるとか・・・
息子が後を継いでくれたから、今は隠居の身に近いケド、
テレビばっかり見て過ごしてたら、体が訛ってくるから、
息子が(うどんを)配達中の時は、こうやって店先に立つのだとか・・・
そして、
何気に、オッちゃんトコの「うどん」って、
あんまりスーパーとかでは見かけないけど、どこに卸してるん?
って聞くと・・・
オッちゃん・・・ふっと大きく息をついたあと、こう語り始めました。
大きな小売店へ麺を卸し出したら、キリが無いのだそうで・・・
つまり、キャンペーンやら大安売りの値下げ、値引きの対象にされて、
原価を考えれば、自分らのような小さな製麺所では、
それに見合った「うどん」を製造する事は不可能に近い・・・
よって、それに見合った「うどん」を出そうと思えば、粗悪な「うどん」しか作れなくなる・・・
そして少しでも利益を出すために最終的には、
あるモノを混ぜた「ニセモノうどん」を作らねば成り立たなくなるようになる・・・
それは製麺所に限らず、最近ハヤリのチェーン店とかにも、よく見られること・・・
人件費や土地代、原価を考えれば、とてもやないケド、その方向に走ってしまうのは、
経営者サイドの苦悩を考えれば致し方ない事なのかも知れない・・・
しかし本来、香川の「うどん」とは、そんなモノでは無かったハズ・・・
ウチは、それを守って行こうと思っている・・・
自分自身が納得できる「うどん」を打ってこそ、うどん職人であるし、
それを曲げてまで、うどん屋稼業を続けようとは思わない。
・・・だから、ウチは、ごく限られた地元の小売店にのみ麺を卸し、
そしてココに買いに来てくれる人にのみ、「うどん」を売っているんや・・・
継いでくれた息子も、多分同じ考えで、やってくれてるのだと思ってる・・・と。
オッちゃん・・・そうシミジミと語ってくれました。
その言葉は、優しくも重く、胸の奥深くに響く言葉でした・・・
素朴だけど、風味豊かな昔ながらの味わい。
オッちゃんの「うどん」への熱き思いを噛みしめながらいただきました。
店を出る時、オッちゃんに「ごちそうさま~」っと告げると、
オッちゃんは「また、来てなぁ~」と、笑いながら見送ってくれました。
・・・それから、1週間ほど経った、ある日の朝。
橋本製麺所先代店主、橋本静男さんの訃報を知ったのは、
地元新聞のお悔やみ欄からでした。
突然の事で、にわかには信じられず、
出来る事なら人違いであって欲しいとの思いから、
うどんに詳しい仲間や知人達からの情報を募り、真実を確かめましたが・・・
やはり、この店の親父さんであると判明しました。
つい先日、お会いして、たいへん為になる話を聞かせていただいたばかりなのに・・・
あの時の「うどん」への思いを熱く語る、
オッちゃんの笑顔は、一生忘れないと思います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151006/15/takamatsu1001/5e/c6/j/o0768102413445980051.jpg?caw=800)
オッちゃんの意志は、これからも・・・
この「橋本製麺所」で引き継がれ続けていくことでしょう。
オッちゃん・・・ありがとう。
「橋本製麺所」
香川県高松市仏生山町甲1120
℡087-889-0812
営業時間
10:00~18:00ぐらい?
定休日 不定休