2022年もあと少し。
沢山の舞台作品に夢や希望を頂きました。
また、大きな問題が起きたことで前進できた1年でもありました。
今年の印象に残った観劇と鑑賞サポート、そして著作権問題についてまとめてみました。
2022年1月から4月の観劇
5月から8月の観劇
特に印象的だったのは、日本劇作家協会のシンポジウムで上演された『再起動の夜』。
公募で決まった戯曲に舞台手話通訳と字幕が付き、ストーリーもとても面白かったです。
これまでは、きこえない観客がこの作品が観たい、サポートをつけてくれと声を張り上げて頑張らなければなりませんでした。
しかし日本劇作家協会のシンポジウムは、舞台制作に携わる方々がアクセシビリティに関心を持って企画されており、これはとても喜ばしいことでした。
実はこの時期、申し訳ないのですが、字幕付きの舞台にはあまりいい思い出がありません…。
・字幕の文字が小さすぎて読めない
・字幕メガネが重く、視界は白いベールがかかったようで生の舞台が綺麗に見えない
・字幕席が遠すぎて役者の表情がみえず、台詞に込められた感情が理解できない
意見を送らなければ次も同じかもしれません…
観るたびに意見を送りました(疲)
9月から12月の観劇
神奈川KAAT『夜の女たち』
やっぱりミュージカルは最高!(字幕メガネは微妙だったが…)
この前NHKの字幕放送でみた『ドクター・ホフマンのサナトリウム』も面白かったし、神奈川KAATの舞台はこれからもチェックしたい。
まとめ
観たいと思った全ての舞台が、鑑賞サポートつき、
又は交渉することで新たに鑑賞サポートがつきました🙌
2022年、良かったこと
①歌詞の著作権問題に変化がありました!
SNSで問題提起をしていたら、過去に取材してくださった共同通信の記者さんが
鑑賞サポートのこととあわせて歌詞表示に著作権の壁と取り上げてくださいました。
NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワークで、
素晴らしい方々と一緒に著作権問題について考える動画を作成し、シンポジウムで公開しました。
また、シアター・アクセシビリティ・ネットワークを通じて、全日本ろうあ連盟からも文化庁に意見書が提出されました。
しかし文化庁からは…
(聴力障害新聞 2022年7月号)
”多くの場合は時間的に余裕をもって申請すれば許諾が得られる”とのことですが、
余裕をもって申請しても、許諾が得られない歌詞はあります。
また、年間に何十作品も上演する劇団では、短期間で作品を作り上げているために申請時間に余裕はありません。
そのことも文化庁に理解いただく必要があるのかと思いました。
そもそもきこえない音の情報を、目で見て知るという権利が文化庁に理解されていません。。
そんな中、舞台とは関係ないのですがNHKのコンサート番組に歌詞字幕が無かったので、何度も何度も要望を出していたら、クローズドキャプションで歌詞字幕がつくようになった。
更に宝塚歌劇も、文化庁のヒアリング調査で意見を寄せられました。
障害者による文化芸術活動の推進に関する実態把握事業 報告書(ニッセイ基礎研究所)
引用P2
引用P83
※冒頭で“ろう者用の台本データのタブレット“と書かれていますが、タブレットユーザー=ろう者ではありません。難聴者、中途失聴者なども利用しています。
歌詞削除問題について真摯に向き合い解決しようと動かれる方々、思いを寄せてくださる方々がいらっしゃったことが、新たな取り組みに繋がり、
ただ限定的な取り組みであり、著作権に関する法律は何も変わっていないので、完全に解決したわけではありません。
②宝塚のHP改修、バリアフリー情報掲載!
なんとバリアフリー情報が劇団HPのトップに出るようになりました。
バリアフリー情報 | 宝塚歌劇公式ホームページ (hankyu.co.jp)
これは素晴らしいし、
他の劇場・劇団も真似して欲しい。
HPの奥の方にバリアフリー情報があっても、だれも見ないし、必要な人に届きにくいです。
③文化庁の委託事業で、鑑賞サポートについて相談できる窓口ができた
ヨーロッパ企画では字幕、唐組は台本タブレットを導入頂きました。
また、お世話になっている共同通信の記者さんに情報提供したところ、新聞に取り上げてくださいました。
許可をいただき、記事全文をこちらに載せています↓
2022年の観劇に寄せて
2022年12月、演劇界では大きなセクハラやパワハラの告発が相次ぎました。
これは今に始まったことではなく、昔から連綿と続いている問題です。
弱い立場の方の尊厳や人権が守られにくいこと。
それは、鑑賞に障害のある人への鑑賞サポートが対応されにくい問題とも、地続きにあるように思います。
すべての舞台に感謝しています。
来年1月は、ジョン王、宝飾時計、など。
2月は、唐組、宝塚星組、宝塚花組、ドリームガールズ、ウエクミオペラ、わが町 など観劇予定です。
来年も素敵な作品に巡り合えますように。
このブログを読んでくださった皆様、
コメント、メッセージ、メール、LINE宝塚オープンチャット等で交流してくださった皆様、
本当にありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ☺️💓