『トリックスターは和装の美男子が一番いいかな』from 雨柳堂夢咄 | 仕事とマンガと心理学

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心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

今日はこちらで。

 

「雨柳堂夢咄」(うりゅうどうゆめばなし)

 

主人公は、蓮くんという

骨董屋さんのお祖父さんと一緒に暮らす

年齢不詳の青年。

この人は、どうも「目に見えない世界」と

相性のいい人らしくて

お店の古道具たちとも話しができるし

さまざまな妖しとも

触れ合う?日々。

 

物語そのものは

古道具や骨董費、

あるいはそれにまつわる妖しと

ふと触れ合ってしまう人々が中心で

蓮くんは、いつも狂言回しのような役割で

登場しています。

 

二つの世界に自然に住んでいる

蓮くんには

この世界はどういう風に見えているんでしょうね。

 

こういった二つの世界を行き来する存在を

「トリックスター」といいます。

一つの世界に入りきらない

「枠組み」から外れている存在は

しばしば、「常識」とか「ルール」の埒外にあって

世界の中にいる存在へ

衝撃を与えます。

 

目の前の世界だけに囚われていると

大事なことを見失う。

だからトリックスターの存在は大切で

見えない闇の向こうから

風のように手を差し伸べて

私たちを振り向かせる。

 

忘れているものはないか?

見落としているものはないか?

本当にこのまま進んでいいのか?

 

妖しのように。

魑魅魍魎のように。

喰らわれてしまいそうになるような。

呑まれてしまいそうになるような。

でも、

手放したくないような。

 

このマンガを読んでいると

自分の妖怪を探しにいきたくなるような気がします。

どこかにいないかな、私の妖怪。

そして、暗がりからほとほとと

手を差し伸べて

人外の世界へと私をいざなう。

 

時にはほんのちょっと

異界に行ってのほほんと遊んでみたい。

まあ、

妖怪たちに翻弄されるのが

関の山でしょうが(笑)