『たまには無条件に明日に希望を持ってもいいのでは』from 花より男子 | 仕事とマンガと心理学

仕事とマンガと心理学

心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

ちょっとSFめいた話しが続きましたので、河岸をかえて、今日はこちらを。

 

 

「花より男子」

 

超お金持ちで美形の「F4」と呼ばれる

男子4名と

貧乏な元気はつらつの女子「つくし」のお話。

 

いってみれば、女子版根性物語。

展開はもう少女マンガだけれど

割りに物語はしっかりとしていて

読み応えありました。

男性ファンが多い少女マンガと聞いて

さもありなん、と。・・・

 

読んでいて元気になるマンガって

やっぱり貴重。

この「花より男子」は

確実にこの貴重なマンガの一つで

それは、つくしちゃんのキャラクターによるところも

大きいのですが

全体的に出てくるキャラクターたちが

よいんですよね。

 

枠が外れているような外れていないような

桁が違うんだけれど

妙に俗物っぽくて

出てくるモノやヤシキは

確かにすごいんだけれど

まったくの悪人がいない。

 

これって、実はとてもほっとする。

 

心理学でいうところの

シャドウのなかには

いわゆる「悪」と呼ばれるものも

当然ありまして

どんな人の中にも

「悪」と定義されるものがある。

 

それとどう付き合っていくかというところが

それぞれの人生の課題の一つなんだけれど

このマンガを読んでいて元気になるのは

それぞれのキャラクターが

自分のシャドウと付き合っていく方向が

前向きなんですよね。

 

この物語は女子版根性物語と呼びましたが

もう一ついうなら

「人はちゃんと幸せになれる」物語。

 

いじめや虐待も描かれていて

決して清廉潔白な人もいないし

純真無垢な人もいない。

残酷さもあれば暴力をコントロール出来ていないシーンも

青春期独特の浅薄さも考えの足りなさも

一杯描かれているんだけれど

 

でも、どこか皆前向きです。

ちゃんと幸せになる為に

それぞれ考えたり行動している。

大丈夫、人は基本的に

ちゃんと幸せになれるんだから

全力で努力する甲斐は絶対にある。・・・

 

私は、このマンガを読んでいて

そういうメッセージを感じました。

 

がんばっても、無駄なんじゃないかな。

何しても、ダメなんじゃないかな。

また結局今までと同じなんじゃないかな。

 

明日が昨日に彩られている。

これが絶望の定義だとしたら。

 

このマンガは

明日は明日だ!と言い切ってくれているような気がして

全力で耕運機のように

今日を耕して

明日を実らすのだ!と

空高く吼えているような気がして

 

そういうところが

大好きなマンガです。

 

暗黒部分をどろどろ出したり

深刻物語を展開するのもいいけれど

たまにはこんな風に

すかっと突き抜けた気分も大事。

 

元気だそう。

元気になろう。

無条件に楽観的に

未来を楽しみにする瞬間があってもいい。

 

そんな気分を必要とする時には

ぜひこの作品をどうぞ!

 

ただし若干長いので

「続く」の部分によっては

ちょっと暗くなるかも(笑)。