『独立愚連隊西へ』(1960/東宝) | Yellow Magic Carnival

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don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?

Raymond Thornton Chandler「The Big Sleep」(1939)

物語の舞台は


大日本帝國及び日本軍の


敗戦も愈々色濃くなって来た


第二次世界大戦末期の


北支戦線で


主な敵はと言えば


中国共産党の軍隊であった


八路軍。


と言っても


日本側と八路軍側が


正面切ってぶつかると言う


描写に関しては


殆どと言って良い程無く


どちらかと言えば


ゲリラの方が目立っていた様に


個人的には思う。


そうは言っても


作品其の物は


戦争映画である為


劇中の要所要所に於いて


人は死ぬ訳だが。


因みに此の映画作品で


一番凄いな、と思ったのは


火薬の使用量。


OPに於いて


歩兵第四六三連隊が


八路軍の攻撃を受けた結果


軍旗を抱いて


其の場を脱出をした


久保明さん演ずる


北原少尉以外は


全員玉砕をする時点から


どっかんどっかん


爆発させていて


改めてCGの無い時代の


映画作品のパワーと言うのを


まざまざと見せつけられた。


又、佐藤勝が手掛けた


音楽に関しても


広大な土地を背景に


物語が展開をする西部劇を


意識しているお陰か


非常に開放感溢れるモノに


仕上がっており


劇中、戦う事の虚しさ溢れる


戦友のあっけない死も含めて


様々な事がありはしたけれども


大変に溌剌且つ晴れ晴れとした


心持ちで作品を観終わる事が


出来た事は迚も良かった。


尚、本作品


即ち『独立愚連隊西へ』は


左文字少尉役の


加山雄三さんの


初主演作なのだが


加山さんの代表作である


『若大将』シリーズとは


又違ったカタチで


加山さんの運動神経の良さを


そして戸川軍曹役の


佐藤允さんとの


ユーモアとシリアスが


良い感じに配分されている


名コンビっぷりを


堪能出来る様になっている。