『殺人狂時代』(1967/東宝) | Yellow Magic Carnival

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don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?

Raymond Thornton Chandler「The Big Sleep」(1939)

かくも冒頭から


結末に至る迄


ものの見事に


人を喰った様な映画作品は


滅多に存在しないのでは、と


思ってしまう程


まぁ、99分間


しっかりとふざけ倒していた本作品。


此れは多くの方が


随分と前から、と言うか


昔から指摘を為さっているので


今更私如きが綴る必要も無いが


モンキー・パンチ原作の


漫画及びアニメ作品


『ルパン三世』の


元ネタになる要素が


此れでもかと言わんばかりに


登場をしている。


何処か正体が掴み難い主人公像。


謎めいた雰囲気のヒロイン。


中々な内容の誇大妄想に


すっかり取り憑かれた組織。


矢鱈殺しの美學に対して


執着其の物な拘りを見せる


組織のボスと部下達。


そんな上から下迄


ヘンテコ極まりない


組織が追い求める


曰く付きの宝石。


『ルパン三世』では


御馴染み過ぎる


ナチスドイツ。


ボロいのからゴツいの迄


しっかりと揃えられた


様々なデザインと


メーカーのクルマ達。


とまぁ、数え上げれば


誠にキリがない。


後、劇中に於いて


結構な頻度で登場をする


「キチガイ」と言うワードにしたって


1stシリーズの『ルパン三世』では


割と普通に登場していたしね。


そんでもって


富士山麓に於いて


自衛隊が訓練と称し


バンバン砲撃を行っている所を


砂塚秀夫さん演ずる


大友ビルと一緒になって


延々逃げ回る場面なぞは


劇場版及び


TVスペシャル版も


含めた場合


何度観て来た事やら。


内容が内容だけに


興行成績的にはハズレもハズレ


大ハズレだったらしいが


劇場公開から57年の


歳月が経った今でも


古びていないのは


流石岡本喜八監督作品。


世の中が乱れれば


乱れる程


本作品


即ち『殺人狂時代』は


輝きを増し続ける事だろう。


其の良し悪しは兎も角として。