『日本一のホラ吹き男』(1964/東宝) | Yellow Magic Carnival

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don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?

Raymond Thornton Chandler「The Big Sleep」(1939)

此の映画作品は


間近に控えた


東京五輪の出場を


アキレス腱の切断によって


断念をすると言う


「挫折」を味わい


且つ今のままでは


どう逆立ちをしたとしても


スポーツでの活躍は


望めそうに無いと言う


「逆境」を与えられる所から


物語の幕が上がる。


思い描いていた夢と


距離を取る


又は「自分には縁の無いもの」と


夢の実現を諦める行為は


人間誰しもが


大なり小なり


経験をする訳だけれども


此の映画作品の主人公は


其処でストップしてしまう事無く


所詮は一度きりの人生


此処は自身の御先祖様を見習い


デカい事をやってのけた上で


くたばってしまえと


言わんばかりに


御先祖様からの教訓


「ホラにしてホラにあらず」を


モットーに


ある程度の


「責任を取った」上での


ホラを吹いて吹いて


吹きまくる方向へと


人生の舵を


思い切り転換。


最終的には


とうとう一流企業の


重役の椅子


其れも部長の椅子を


射止めてしまうのだ。


劇中では此れを


「出世の三段跳び」と


植木等さん演ずる


此の物語の主人公


初等(はじめひとし)は


語っているのだけれども


劇中での活躍っぷり


自身の大望成就に対する


強烈な迄の


邁進っぷりを


眺めていると


三段跳びどころでは無い位


跳びに跳びまくっていて


いやはや、恐れ入りました


又は参りましたの


ひと言に尽きると言うか


なんと言うか。


況してや


勢いの感じられる演出が


大変特徴的な


古澤憲吾監督作品だけあって


明るく陽気どころの


騒ぎでは無く


此の勢いだと


地球を飛び出して


宇宙に迄えいや、と


此の男、飛び出すのでは


なんて風な内容の錯覚を


つい抱きたくなる訳だが


1969(昭和44)年公開の


古澤憲吾(本篇)


中野昭慶(特撮)


監督作品


『クレージーの大爆発』では


クレージーの面々が


とうとう月に迄


飛んで行ってしまうのだから


彼等のぶっ飛びっぷり


暴れ回りっぷりは


正に規格外と言えるのでは


なかろうか。