『クレージー黄金作戦』(1967/東宝) | Yellow Magic Carnival

Yellow Magic Carnival

don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?

Raymond Thornton Chandler「The Big Sleep」(1939)

上映時間


ざっと157分。


問答無用の超大作である。


植木等さん演ずる


生粋のギャンブル狂で


檀家連中からも


すっかり見放されている


生臭坊主。


ハナ肇さん演ずる


小物では無いが


大物とも言い難い


煎餅屋出身で


結婚はしていないが


諸先輩方を見習ってなのか


妾を三人囲っている国会議員。


谷啓さん演ずる


至って誠実であるし


真面目な雰囲気ではあるものの


所謂世渡りが上手いとは


決して言い難い


恋愛について大変奥手な医者。


そんでもって


浜美枝さん演ずる


誰がどう贔屓目に見た所で


不真面目極まりない生臭坊主と


一緒に過ごしていると


何故かギャンブルに於いて


良い成績を叩き出せる


ミステリアスな雰囲気満載の


女子大生。


此の四人の曰くありげどころか


曰くがあり過ぎて


且つ個性の塊と言っても


過言では無い人物が


一攫千金はおろか


億万長者になる事を目指して


ギャンブラーの聖地


ラスベガスをはじめとした


アメリカの様々な土地に於いて


大いにてんやわんやしまくる訳だが


幾ら其の当時の日本経済と


渡辺プロと言う事務所に


旭日の勢いがあったからとは言え


良くもまぁ、此れ程迄に


スケールの大きな


喜劇&ミュージカル映画を


撮る事が出来たな、と


映画を鑑賞し乍ら


幾度となく


たまげさせられたモノだ。


カジノの場面は


ジェームズ・ボンドが


次から次へと登場をする


強烈なパロディ映画


67年版『007 カジノロワイヤル』


顔負けの豪華絢爛ぶりで


ギャンブルどころか


勝負事に関しては


てんで縁遠い私でも


思わず「いっちょ勝負すっか」


と言う気に


ついついさせられそうになるから


映画のチカラと言うのは


誠に凄いモノだな、と。


因みに此の物語


ギャング組織迄


巻き込んで


さんざっぱら


馬鹿騒ぎ大騒ぎをした


挙げ句の果てに


「悪銭身に付かず」


「夢のまた夢」な結末を


迎える訳だけれども


其れもらしい結末と言えば


実にらしい結末と言えるだろう。