『ニッポン無責任野郎』(1962/東宝) | Yellow Magic Carnival

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don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?

Raymond Thornton Chandler「The Big Sleep」(1939)

題名に『無責任野郎』なぞと言う


日常生活に於いて


滅多に使わなさそうな、と言うか


使う機会が早々無い様な


言葉が付いている位だし


実際、劇中に於いて


調子の良い事


否、良過ぎるにも


程があり過ぎる


発言をしたり


又は行動を


場面転換する


其の度に


植木等さん演ずる源均は


まぁ、此れでもかと言わんばかりに


起こしているのであるが


では本当に


ちゃらんぽらんな


主人公なのかと言えば


実際の所は


源均なりの計算が


しっかりあった上での


やりたい放題極まりない


発言なり行動なのであるからして


ここら辺は脚本の妙と


言うべきであろう。


昔話で御馴染みの


『わらしべ長者』よろしく


あれよあれよと言う間に


ストーリーは進んでいくし


登場する女優さん達は


終始醸し出される


大人の色気が


実に堪らないし


次期社長の椅子を巡って


専務と部長


及び其の取り巻き連中が


今日は此方


明日は彼方と


右往左往する姿は


今の時代にも


しっかり通用するし


良くも悪くも


兎角真面目一本槍な


印象が目に付きがちな


日本人気質を


大いに皮肉った


ギャグそして歌の数々は


映画を鑑賞していて


腹の底から


自然と笑いが


込み上げて来るモノに


キッチリと仕上がっているしで


いやあ、日本映画黄金期の


喜劇映画作品を


みっちり時間をかけて


鑑賞すると言う行為は


実に健康に良いな、と


身をもって感じさせられた次第。