地域の工務店さんのFP研修をしてきました。みなさんがんばっています。
地元有力工務店さんの社員研修を一日してきました。賃貸マンション建築を中心に、良心的な営業をして来た企業ですが、ゴリゴリ営業のライバル会社が伸びてきているため。危機感を持っておられるようです。
そこで目をつけたのが、FP的手法を使ったトータルコンサルティングだそうで、営業社員全員に資格を取らせようということです。
営業マンの肩書きも「営業」ではなく、「住環境アドバイザー」となっており、単に箱物を提供するだけではなく住生活全体をアドバイスできる社員の育成を目指しているそうです。
社員は礼儀正しく、事務所もいつも整理整頓されており、好感の持てる企業だと思っておりました。
ライバル会社は、営業マンをヘッドハンティングして高額な歩合を出す成績重視・地主さんには35年家賃保証を謳ってここまで伸びてきているそうで、自分のところとは考え方がまるで違うとおっしゃっていました。
FP的手法がすべて良いとは申しませんが、従来どおりの建築営業が正念場を迎えていることは、このコーナーで何度も書いています。
今後の賃貸市場では、新築賃貸マンションを受注することがイコール既存のオーナー様の経営を圧迫することになります。
何が何でも受注という営業手法は、今後そっぽを向かれる可能性が高いと思いますし、そういう会社で建築したマンションは競争力が低いのではないかと思うのです。
新築したオーナーが永く安定した経営ができるように付き合っていく企業が伸びるのではと思っております。
慰安では数少ない、がんばってほしい建築会社でした。
住宅の建物検査(ホームインスペクション)の依頼が増えています。
住宅を建てるときや購入するときに、建物の診断をすることをホームインスペクションと言いますが、最近特に高齢者の方からの依頼が増えています。何故でしょう?
弊社にいらっしゃるお客様は、いろいろな住宅セミナーに参加したり実際に検査会社を回って話を聞いて来られた方が多いようです。
それだけしっかり勉強した上で、なお検査を依頼される方ですので、慎重な方ばかりかと思いきや、そうでもありません。
では何が共通しているかというと、セカンドオピニオンが欲しいという点でしょうか。
何事も今の時代は比較の時代です。このブログで取り上げた『シンプル族の反乱 モノを買わない消費者の登場』(三浦展著・KKベストセラーズ刊・743円+税)にも、最近の消費者は比較した上で良いモノしか購入しないと書いてあります。
比較できる環境がインターネットで整ってしまったのです。
住宅においてもいろいろな意見を比較検討できることが望まれますが、相当専門的な分野ですし、一旦ハウスメーカーと商談に入ると他社との比較がしづらいジャンルですので、我々のような各メーカーのことを知っているインスペクターに相談したいと思われる気持ちも良く理解できます。
アメリカでは普通に職業として成り立っているホームインスペクターですが、日本ではまだまだこれからの仕事です。
昨年NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を立ち上げて頑張っております。是非住宅取得をご検討される方はご利用いただきたいサービスだと思っております。
モノを買わない消費者=シンプル族の住宅ニーズは?
昨日紹介した『シンプル族の反乱 モノを買わない消費者の登場』(三浦展著・KKベストセラーズ刊・743円+税)は、団塊ジュニア後期以降の若い人たちの消費行動が激的に変わっていることが書いてあります。
その中に、衣食住遊それぞれどのようなモノが選ばれているのかという分析が載っています。
私は主に住宅関係の仕事をしているので、そこを見てみましょう。
1.自然素材を好む(エコ含む)
2.ヴィンテージマンション(価値のある中古)をリフォームする。
3.経済効率主義にない遊び心のあるデザイン
4.長く使っても飽きない価値重視
5.歴史こそがゴージャス(新しいものより古いもの)
6.地域社会の人のつながり重視
7.住むなら古い街(谷中や京都ブーム)
8.家具も中古が好き
まさに今国が推進している長期優良住宅を徹底したものを求めています。(長期優良住宅は、まだまだ新築重視。中古住宅を大切に使うというには、ほど遠いのです)
この価値の大転換をしっかり捉えないで、従来型の賃貸マンションをどんどん造っていると大変なことになるような気がするのです。建てる建築会社さんは当面は良いとしても、建てた地主オーナーさんは経営が苦しくなるのではないでしょうか。
何故車が売れないのか?消費者の価値観の大転換を見逃すな。
『下流社会』や『マイホームレス・チャイルド』の著者、マーケットアナリストの三浦展氏著『シンプル族の反乱 モノを買わない消費者の登場』(KKベストセラーズ刊・743円+税)は、必読の書ですね。
ユニコロや無印良品が売れ、車を買わず、おもに家の中で過ごす若者は、決して景気が悪く所得が少ないからそうしているのではないことを、調査に基づいて分析しています。
団塊ジュニア世代より下の若者の消費スタイルを『シンプル族』と名付け、ニーズの大転換が起こっていると書いています。
シンプル族の特徴は、
1.物をあまり消費しない。貯めない。
2.手仕事を重んじる。
3.基本的な生活を大切にする。
として、特にエコ志向・ナチュラル志向・レトロや和風志向・オムニボア志向・ソーシャルキャピタル志向の5つを挙げています。
詳しくは本をお読みいただくとして、私が以前からライフプランセミナーや賃貸経営セミナーなどで「人口減少や高齢化も懸念材料だが、若い世代のニーズの大転換はより重要な要素である。」と警告して来ました。
今までの大量消費経済とはまったく逆の価値観が台頭してきているわけで、このニーズを正確に把握しないと先を読み間違えてしまうことになります。
我々FPは、40年先までの家計のキャッシュフロ-表を作成しているのですが、消費を前提として組み立てている表を考え直さないといけないのかもしれません。
例えば、退職後に必要な資金は月額23.2万円、ただしゆとりある生活を送るためには35.8万円が必要などという数字を基に組み立てる安易な計画を見直す必要があると思います。
三浦氏も書いていますが、企業がこのニーズを捉え間違えると存続の危機につながりかねないほどの大転換だということです。
続・不動産投資市場。一棟売りマンションば絶好調?
東京・大阪では一棟売りマンションが飛ぶように売れており、品薄状態にあります。
10億円規模で投資をしたいという名古屋のお客様がいらっしゃるので、大手不動産ファンドの担当者に依頼して大型物件を紹介してもらいましたが、やはりそのようで、会社が保有していた物件がほとんど売れてしまい、今月から買いに回っているとのこと。
ところが、これも地域によって違いがあるそうで、名古屋に限ると底が浅いとのこと。
つまり1億円以下の物件はよく売れているそうですが、(これは全国的な傾向。サラリーマン投資家が狙えるのが5000万円~1億円)名古屋では1億円を超えると足が止まってしまうそうです。その点で東京・大阪の投資家は懐が深い。
5億円以上の物件は、昨日だけで30物件位集まりました。
この大手不動産ファンド会社も、名古屋地区では路線を変更して、足が速い比較的小ぶりな物件の買取にシフトしているそうです。
不動産投資後の売却(出口戦略)を考えるなら、名古屋地区では高額物件は厳しいということでしょうか。逆に言えば、このゾーンの価格帯の物件は、がんばれば安く入手できるということでもあります。
P.S.この会社の担当者は、秋以降にもう一段の下げがあると断言しておりました。大手企業の情報だから気になりますね。