オタクフラクタル次元 -3ページ目

フルメタと船場吉兆

フルメタルパニックシリーズに「ウィスパード」という者が出てきますよね。

「ささやく者」「ささやかれた者」という意味で用いられていますが、船場吉兆の女将が女性セブンで「ささやき女将」と揶揄されているのを見て、この時ばかりはウィスパードと称した方が面白いのではないかと思った。


「ささやき女将(71)」こと湯木佐知子


とするよりも


「ウィスパード(71)」こと湯木佐知子


の方がなんとなーく面白い。

きっとあの女将も未来から変な電波を受信(ささやかれて)して食品の再利用をしたのでしょう。

ウィスパードにあれが10年後の20年後の食品業界の常識だと言われたら、我々凡人は従うしかない。

そして息子にはウィスパードらしく記者会見で「囁いた」んでしょうな。

フルメタに絡めてそう考えるとなんとまぁ面白いことか。

次第に客の胃袋にラムダドライバを搭載していないのが悪い!! とか言いそうですね。

んな無茶な。



―常々日本語に言い換えることが出来る外来語は使うなと言ってますが、

意外にも繋がって面白く化学反応することもあると思い知らされた一件。

フルメタファンしか解らないけれども、やはり無駄な知識などありませんね。


ちなみに私はカナメでもテッサでもなく、ポン太君の中の人の金田朋子派です。

【ネタバレ有】ひぐらしのなく頃に ―映画版―

昼間に見に行ったのですが、絶句ですね。

原作至上主義でもない、映画と原作は別物だと峻別していても、駄作は駄作なのです。にぱ~☆

そんな声が梨花ちゃんボイスで聞こえてくるほど駄目ですね。

原作者である竜騎士07氏がこれで良いと言っているから、あまり言いたくない(へこんで王雀孫みたいな執筆間隔になっても困る)のですが、私の精神衛生上語らせてもらいましょう。

そして願わくば、一人でもひぐらし好きーに不利益が被らないよう、それだけが私の望みです。

―原作と映画は完全に別物だと私は思っています。同じく原作とアニメは別とも。

原作の媒体はPCであって同人です。自由な雰囲気に、何度もログで咀嚼できるシナリオと推理。

場面にあった音楽と効果音でユーザーを惹きつけます。

しかし映画は規制がかかり、一度聞き逃すと戻れない。

ですが、その不利益を補うがごとく動き、喋り、PCでは出来ない演出が光ります。

今回の映画版ひぐらしがなく頃に― の特徴はその「原作ではなかったこと」となりますので、まずはそれを紹介しましょう。



1.立ち絵と違い人間なので動き喋る

当然と言えば当然ですが、映画なので動きます。

圭一が喉を掻き毟る場面は映画ならではの血の描写でしたし、綿流しの祭で梨花ちゃんが踊りますが、本格的に演出していて驚きました。

寒い北陸地方なら本当にありそうだと思わせるほどです。



2.美少女勢ぞろい


個人的にはレナ以外良かったと思います。特に沙都子は妹だったら私の人生もそれなんてエロゲ? と言われるほど変化していたはずです。

ポニーテール教の信者としては、魅音のポニテに拍手。昭和最高イイイヤッフーー! と国崎最高風に心で叫んでました。



以上の2点が「原作にはないもの」です。媒体の違いから当然な2点ですが、人によってはこれが評価されたりするんだろうなーと思います。


次は「原作とは設定が違う所」です。鬼隠し編だけでも数時間はかかるのに、映画で2時間の尺にしているし、商業なのだから当然原作と違う箇所があります。



1.親父の仕事が画家


本来は同人作家だった気がします。故にその息子圭一もメイドなどオタク業界に通暁している口先の魔術師たりえる。

きっと同人作家と言っても一般人わからないだろうし、画家にしたと推測できます。


2.部活がない


これには驚きました。ひぐらしと言えば部活の印象です。

そして私見ですが、部活が重要な意味を占めているので外してはならないものだと思ったのですが……。

例えばレナが「嘘だっ!!」という名場面がありますが、この前に圭一が「仲間なのに隠し事をする―」云々の話が出てきます。


この仲間という言葉の意味は、

「圭一が東京では得られなかった本当の友達」を部活を通して得たからじゃないですかね?

魅音と性別を超えた友情で結ばれ、罰ゲーム有りで年齢関係なく対等に部活で張り合える。

それがあって仲間なのだと思ってた私にとって部活がない「仲間」には違和感を覚えました。



3.サスペンスではなくホラー


原作鬼隠し編が「疑心暗鬼」なのは疑う余地がなく、サスペンスに属するはずです。

しかし映画版鬼隠し編は「戦々恐々」です。つまりホラーなわけですね。

それが顕著なのが「おはぎ差し入れ事件」です。


体調が悪いと嘘をついてレナ達を遠ざける圭一のもとに、おはぎの差し入れを持って見舞いにくる二人だが、

その中に「針」が入っている疑心暗鬼の事件ですね。

答えになりますが、もちろん圭一の視点から見て針なんて入ってません。

針がはいっていると思わせる、レナが圭一を殺そうとしていると思わせるのが味噌であって、本当に針が入っていたらホラーなのですが、映画ではばっちり針が入っているだけでなく、見事




圭一君の右頬を貫通しました!!


ぶすりっ! 血がトローン……と 完全に原作とは違うところです。

これ以外にもゴミ山のケンタ君人形が、大人の事情かくまのぬいぐるみだったり(大人の事情がホラー)

鬼隠しでは完全に黒子である小比木さんが、フライデーされるかのように顔出ししてます(黒幕出すのがホラー)



―以上のように、確かに原作と映画は峻別する必要がありますが、そもそも物語りとして成立していない部分があるのが私は不満なのですね。


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http://www.enjoytokyo.jp/OD009Detail.html?TITLE_ID=12421


一応ジャンルはミニシアターらしいですが、だったら1%の謎というあおり文句で原作と同じサスペンスだと勘違いしますし、ホラーならホラーと言ってくれよというのもありますが……


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あの構成で怖いと感じろ! と言われても無理な相談です。

だって美少女学生が明確な殺意を持って鉈持って襲ってきたり、おはぎに軽い罠を仕掛ける程度です。

同時にそれを金属バットでぼこぼこにイカ殴り(タコ殴りより一段上の殴りで)やり返したら殺しちゃいました☆

という話ですからね。

まだ学園ラブコメ 「ひぐ☆らし」 を上映してくれたほうがパラレルワールドとして面白かったと思います。


続編は謎解きらしいですが、そもそも謎なんてあったかが謎です。



これで「この青空に約束を―」に続いて名作である「ひぐらしのなく頃に―」も私にとっては陵辱された気分です。

かわいそかわいそなのです☆ と脳内で聞こえてきます……

高市議員の言い分を検証

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080502/155019/

【焦点を聞く】ネット規制、親が守れないなら国が守る!

高市早苗衆院議員に直撃インタビュー


5月7日、ネット規制法に反対している人にとって面白い記事が出ました。

我々のような一般人にとっては手紙やメールでしか意見を聞くことができず、さらにそれさえ政策秘書等が代弁すると言ったこともあるみたいなので、大きな団体が議員に直接話を伺うというのはありがたいことです。



では、まず大前提に置いておきたい高市議員の根本的な思想が、


>>そして、色々な場所で子育て中のお父さんお母さんの話を聞いていくうちに、次第にこう思うようになっていきました。ITを存分に活用して国の競争力をつけ、子供の教育にも活用していくためには、まずリスクの部分をできるだけ克服して、親に安心感をもってもらうことが大事だと。


赤文字で記した所だということを頭に入れて欲しいです。

ネットにある「情報」という媒体が人によって善悪を左右されるものであっても、悪に利用されるその恐れがある、つまり「可能性」が捨てきれない限りリスクであるということ、そしてそれが総じて国の利益に繋がるということです。


従い、


>>犯罪の発生は、社会的コストの増大につながるのは言うに及ばず、このままでは日本の売りである「安心・安全」も棄損されてしまいます。対日投資推進政策や観光立国政策を考えると、安全という価値は手放したくない。その思いもあって、まずインターネットの負の側面から子供を守るのが大事だと考えるようになりました。


という考えになります。

しかしここで聞き慣れない言葉が二つ存在しますね。

「対日投資推進政策」と「観光立国政策」です。わからないことをわからないままにするのは危険ですので、

これを追究しますと……


■対日投資推進政策

「経済産業省 対日直接投資 貿易経済協力局 貿易振興課

http://www.meti.go.jp/policy/investment/index.html

 →第1回対日投資有識者会議(平成20年1月30日)

   第1回対日投資有識者会議分科会(平成20年3月13日)

   第2回対日投資有識者会議分科会(平成20年3月28日)

   第2回対日投資有識者会議(平成20年4月10日)


の全PDFを参照しますと、極めて経済的な話でネットの有害情報(安全)など一つも出てきませんでした。

日本はM&Aに対して寛容であれとか、留学生の量より質だとか、そういうことばかりでした。

……まぁ素人目に考えても日本に投資するのに、青少年に対してネットの有害情報を規制しようという法案が関係ないことは解りますが。


■観光立国政策

「国土交通省総合政策局観光部門:観光立国行動計画」

http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/action_plan.html


「首相官邸 観光立国懇談会報告書 2003年4月24日観光立国懇談会」

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko/kettei/030424/houkoku.html


はじめに

>>小泉内閣総理大臣は、本年1月に行った第156回国会施政方針演説において、日本を訪れる外国人旅行者を2010年に倍増させることを目標とすることを打ち出した。
 これを受け、本懇談会は、我が国の観光立国としての基本的なあり方を検討するため、4回の懇談会に加え、数回にわたる有識者のみの会合及び起草委員会を開催し鋭意検討を重ねてきた。第1回以降、毎回幅広い観点から活発な議論が行われた。本報告書は、その議論の結果をとりまとめたものである。
 本報告書では、改めて観光の意義を問い直すとともに、我が国が観光立国を実現していく上での課題と戦略を提言している。
 本報告書を契機として、広範な国民的議論が行われ、観光に関係する様々な主体がそれぞれあるいは連携して、観光立国の実現に向けて第一歩を踏み出すことを強く期待したい。


ということで、日本のネットの海を観光するということではなく、人がその足で日本の地を踏むことを指します。

つまり所謂高市法案とは二つとも何ら関係性がないと思われるのですが、どうやら次の文言が後ろ盾になっている様子です。



■対日投資推進政策

関連情報

第169回国会における福田内閣総理大臣施政方針演説


>>(安全・安心の確保)
安全で安心な暮らしには治安に対する信頼が欠かせません。インターネットの有害情報の排除や組織犯罪の資金の監視・取締りを強化するとともに、銃器の規制の厳格化に向けた取組を進めます。昨年、交通事故の犠牲者は半世紀ぶりに6千人を下回りました。今後も効果的な対策を実施します。

■観光立国政策

(2)日本の魅力はどこにあるか
 第6に、「社会の治安と規律が保たれていること」にある。
 日本の治安のよさは定評がある。女性が夜一人歩きできる都市は世界にそれ程多くない。このよさは、是非維持したいものである。
 ニューヨーク市が観光客を呼び戻し、活力を高めた背景には、ジュリアーニ市長の小さい犯罪も許さないという徹底した取り締まりの努力があった。
 しかし、残念なことに、日本では、最近、犯罪が増加傾向にある。それを防ぐには、ただ単に警察に任せるのではなく、国民全体が協力して社会の安全と規律を守る態度を維持しなければならない。外国人が多く来るようになると犯罪が増加するのではないかとの指摘があるが、国を挙げての対策も用意しておく必要があろう。
 また、世界で評価の高い日本の清潔さも維持していかなければならない。
 大切なことは、我々日本人がもう一度日本を学び直し、理解し、愛し、日本の魅力を発見し、創造して、日本の生き方に誇りを持つことである。そして、一人一人が「観光大使」の意識をもって外国人に日本を語れば、彼らも日本に対する興味を高めるはずである。

……国益には日本は安全だという価値が欲しいから、まず青少年に有害な情報を見せないという理屈には到底たどり着かないと思うのですが、口から出たということは真剣に思っているのでしょう。私はそうは思いませんが。


→反論資料「少年犯罪統計データ」

http://kangaeru.s59.xrea.com/toukei.html


→反論資料2「警察白書 触法少年(刑法)の数の推移(平成9年~18年)」

http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/toukei/t1-48.pdf


→反論資料3「刑法犯罪種別認知件数の推移(平成14~18年)

         「刑法犯認知件数と犯罪率の推移(昭和21~平成12年)」

http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/toukei/t1-04.pdf

http://www.npa.go.jp/hakusyo/h13/h130300.pdf

(窃盗犯が増える理由がネットだと断言できない)



それに対日投資推進政策も観光立国政策も日本という国を大きく見ているわけで、犯罪の増加を理由にネットの規制をするなら「まず青少年だけ」という括りはなくなるはずです。

さらにさらに加えるならば、「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案骨子(案)」


第一 目的

この法律は、インターネットにおいて青少年の健全な育成を阻害するおそれがある情報が流通し、青少年のインターネット利用の良好な環境を整備する必要性が生じていることをかんがみ、インターネットを利用して青少年により青少年有害情報が閲覧されることを防止するための措置を講じ、もって青少年の健全な育成に資することを目的とすること


ということで、そもそも対日投資推進政策や観光立国政策視から見た日本の安全に対する意識の向上という視野はないはずです。

もっとも「有害情報が溢れていると犯罪がこれから増える可能性が高く、ひいては観光立国政策に支障をきたす」と言われそうですが、今回初めてこの言葉を聞いたことから急遽このインタビューでとってつけた可能性が高いですが。


他にも言及するところはたくさんありまして、


>>青少年有害情報の定義は法律案2条に規定していますが、この法案が通った際に設置される内閣府の審議会が、業界団体や保護者の意見を聴取しながら定義を具体化し、有害情報判断基準を政令で定めます。

 例えば、「猥褻」といっても、芸術、医学、美容整形外科の広告などは該当しないでしょうし、「残虐」といっても、暴行シーンと戦争報道は違います。都道府県条例でも同じ運用をされていると承知していますが、登録法人や事業者が迷わないよう、かなり細かい基準を定めます。


規制を受ける主権者である国民をないがしろにして、法案が通ってから定義を具体化を、事業者が迷わないよう細かい基準を定めるとは驚きです。

親の教育権を無視してまで強行するくせにPTAに意見を聞いていなかったりは立法府じゃ普通なのでしょうか?

ここらへんは無知なのですが、説得力がないことだけは確かです。


「君達は今から有害情報と思われるサイトを観てはいけない。 ん? 有害とは何かだって?

 それは後から細かく決めるからとりあえず性的・暴力的・犯罪誘発性なものは駄目」


と言われて誰が納得するのでしょうか?



さらに


>>仮に、青少年有害情報の定義について法律に書き込まないで民間に対応を求めるとしたら、非常に無責任だと思います。青少年をどんな情報から保護するのかということを国が定めずに、事業者に義務や努力義務を課すことはできません。定義だけはしっかりしておかないといけない。あえて、条文に書き込みました。


確かに法律に定義がないのは無責任ですよね。

ではその法律を成立させてから具体化し、細かい基準を定めるのは(規制を受ける主権者たる国民に対して)無責任ではないのでしょうか?


またさらに


親の教育権に対して国が干渉するのかという意見に対しては、私はそうは思っていません。親が良いというのであれば、どんなサイトにも無防備にアクセスさせて良いはずはなく、子供を社会全体で守っていくことは必要だと思います。喫煙や飲酒だって、親が「いいよ」と言っても法律では禁止されているでしょう。適切な例ではないかも知れないけど、社会全体で取り組むべき課題だと思います。


「情報」と「物質」を一緒くたにしての仮定話。

情報は良いことにも悪いことにも使われるという視点が完全に抜けています。

既述した高市議員の思想を見事に表す例だと思いますね。

国が認定する有害情報を取り除くことが、国益になるのですから社会全体で取り組むということです。



表現の自由や検閲に関しては素人ながら疑問がありましたが、今回は知識がないために避けました。

気になる方は他の論客ブロガー様が鋭く指摘されていると思われますのでそちらへ……。


―親が会社のことで悩んでいて、家に帰っても仕事ばかり考えストレスが溜まると愚痴をもらす最近ですが、

私も仕事に行っても政治ばかり考えストレスが溜まります。

議論はいつまで経っても平行線。

お互いに譲れないものや立場があると思いますが、せめて相手が権高にならず納得できるような理屈を示してくれればと思います。