文章題はこう解く Vol.11 ⑤ 鶴亀算
今回は,⑤ 鶴亀算 について具体的な問題や解説を行っていきたいと思います。
⑤ 鶴亀算
ツルとカメがあわせて10ぴきいます。
足の数はあわせて30本です。
ツルとカメはそれぞれ何匹ですか?
鶴亀算 とは,異なる数量のものがあわせていくつあるかはわかっているとき,それぞれの数を求める問題のこと。
「仮にすべてどちらかだとしたら・・・」
「仮にどちらも同じ数だとしたら・・・」
というように考えて,変わり方の きまりをみつけて 解決するような問題を差します。
変わっていく様子を調べることがポイントとなるので,
表をかいて変わり方の
きまりをみつけること
が大切です。
今回の内容も,3年生以前でも解くことはできますが,その本質を理解するには4年生で学習する「ともなって変わる2量の関係」を学習した以降に学習するのが望ましいものです。
では,問題を具体的に見てみましょう。
(問題1)
子どもたちに色紙を配るのに,1人分を50まいにした場合と,1人分を70まいにした場合とでは,ぜんぶで700まいちがうそうです。子どもたちは何人いますか。
(問題2)
1こ70円のりんごと1こ30円のみかんを,あわせて40こ買いました。
代金は2400円でした。
りんごとみかんを,それぞれ何こずつ買いましたか。
(問題3)
1こ70円のりんごと1こ30円のみかんを,あわせて40こ買いました。
りんご代のほうが,みかん代よりも1300円多かったそうです。
りんごとみかんを,それぞれ何こずつ買いましたか。
まずは,問題の意味を理解するところから始めます。
このとき,基礎操作 を行っていきます。
大切なのは,
自分なりの図をかいていくこと
説明の都合上,次に綺麗に整理した図を示しますが,ポイントが押さえられていれば丁寧にかいていなくても違う図をかいていてもOKです。きれいな図をかくのが目的ではなく,思考の手助けをするために手を動かして図をかきあげていくこと。それが,基礎操作 なのです。
(問題1)基礎操作
50まいずつと70まいずつとでは,
子どもが1人増えるごとに
20まいずつちがっていく。
(問題2)基礎操作
りんご40こだと2800円で,
みかんの数を1こずつ増やすと
代金は40円ずつ少なくなる。
(問題3)基礎操作
りんごとみかんをどちらも20こと考え,
そこからりんごの数を1ずつ増やすと,
代金の差は100円ずつ増える
鶴亀算 では,2つの数量の変わり方を表にかいてみると,そこから変わり方のきまりをみつけて問題を解決することができます。
これが, きまりをみつけて考える という 思考法 なのです。
あとは,式にかいて答えを求めていきます。
(問題1)
50まいずつと70まいずつとでは,子どもが1人増えるごとに20まいずつちがっていく。
ぜんぶで700まいちがうから,子どもの数は,
700÷20=35(人)
(問題2)
りんご40こだと2800円で,みかんの数を1こずつ増やすと代金は40円ずつ少なくなる。
よって,みかんの数は,(2800-2400)÷40=10(こ)
また,りんごの数は,40-10=30(こ)
(問題3)
りんご20こ,みかん20こだと代金の差は800円で,りんごの数を1こずつ増やすと代金の差は100円ずつ多くなる。
よって,りんごの数は,(1300-800)÷100+20=25(こ)
また,みかんの数は,40-25=15(こ)
いかがでしょうか。
実際,もっとわかりやすい図や表で解説することはできるのですが,問題を解説することが重要ではないので,ここではシンプルな表を示すのに留めています。特別な図や表のかき方を覚えるのではなく,やはり文章題で大切なのは,基礎操作 と,そこで 思考法 を用いて考えていくことです。
テストのときなど,いつも初めから〇〇算とわかって問題を解くわけではないので,どのような 文章題 を解くときにでも 基礎操作 と,そこで 思考法 を用いて考えていくということを心掛けるのがよいと思います。
次回は,⑥ 時計算 について具体的な問題や解説を行っていきたいと思います。
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