昭和32(1957)年6月。明るく楽しい人気番組。マンガでおなじみの連続ホームドラマ――。サザエさん(ニッポン放送)の番宣広告。
放送は月~金曜の毎朝8時からの15分番組。提供は 明治乳業。ニッポン放送の開局から間もない昭和30年1月にスタートし、昭和40年4月まで 約10年間にもわたって放送 されていた。当然、聴いたことはないのだが、サザエさん役は 市川すみれ(市川寿美礼)で、父・波平役はのちの水戸黄門になる 東野英治郎 が演じていたらしいというのは、何となく知っていた。
ところが昭和36年5月24日に放送2,000回を迎えるにあたっての、朝日新聞(当時、原作漫画が連載中)の記事を読んで驚いた。
昭和36年5月17日付の朝日新聞朝刊
写真には当時の出演者が一同がズラリ。市川寿美礼(サザエ)や 東野英治郎(父親)をはじめ、岸田今日子、小沢昭一、中原早苗、小山田宗徳、佐野浅夫(ノリスケ)、仲代達矢、宮崎恭子夫妻、のちにフジテレビのアナウンサーとなる 須田哲夫(カツオ)の子役時代の顔も見られる。初代と3代目の黄門様は、ここでも共演していたのか。
サザエさんが「永遠の24歳」である点は、現在も続くテレビアニメ版と同じなのだが、父親は磯野波平ではなく「イソノアワビ」なる名前。アジサイ産業 なる会社に勤務しているそうだ。
マスオさんに関しては、ちょうど放送が折り返し地点に達した 昭和35年11月4日放送回で結婚。イソノ家近所の酒屋「きくや」のそばに下宿している「ロイド君」なるあだ名で呼ばれる青年で、アジサイ産業社長(演じるのはブラック魔王こと大塚周夫)の紹介によりお見合いでサザエさんとゴールインしている。放送開始から5年はマスオさんが未登場だったということか…。
昭和32年7月1日(月曜)のラジオ欄
それはともかく、昭和32年7月1日(月曜)のラジオ欄を見ると、現在、アニメ版でマスオさんを演じている 田中秀幸(当時6歳)が、午前10時15分からの同じくラジオドラマ『アッちゃん』にて、すでに主演していることに驚かされる。