本の広告シリーズ ~ 現代の謎に挑む『黒沼健 怪奇シリーズ!』(昭和50年6月) | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

昭和50(1975)年6月。現代の謎に挑む 黒沼健 怪奇シリーズ! (新潮社)の新聞広告。


       

タイトルだけを眺めていてもワクワクが止まらないが、これらの著者・黒沼健 は明治生まれのSF作家。昭和60年に83歳で亡くなっているが、本業以外でも映画 空の大怪獣ラドン(昭和31年・東宝)や 大怪獣バラン(昭和33年・東宝)、テレビ映画 海底人8823(昭和35年・フジテレビ)の原作者としても知られている。

海底人~のほうは、主題歌の作詞や脚本までも手掛けていたそうだから、あの海底人とイサム少年による、妙に丁寧でありつつ予定調和を許さない不思議な会話 は、この人が思いついたモノのようだ。

広告右端の『恐怖と戦慄物語』によると、ニューヨーク市は1998年頃に滅び日本の大部分は1981年まで海底に沈む のだとか。日本沈没こそ免れたが、この本を読みつつ、9・11同時多発テロ(2001年9月11日)のニュースを目にしたとしたら、わずか3年の誤差にして「ついにこの日が来た…」と、さらに恐怖に脅えていたことだろう。