映画広告シリーズ ~ 新宿・武蔵野館 『徳川夢声 山野一郎 独演二人会』(昭和2年8月) | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

昭和2(1927)年8月、二大喜劇王( チャールズ・チャップリン&バスター・キートン )の映画その物だけでなく、活動弁士 (活弁)を看板とした東京・新宿の 武蔵野館 (現・新宿武蔵野館) 徳川夢声 山野一郎 独演二人会 の新聞広告。



徳川夢声がチャップリンの 『黄金狂時代』 を独演し、山野一郎が 『キートン将軍』 を独演。生演奏は 武蔵野管弦楽団 が担当している。

元祖マルチタレントとも称される徳川夢声は、昭和46年に77歳で没。年代的にもあまり馴染みがないはずなのだが、父親が買った徳川夢声朗読による吉川英治作の 宮本武蔵 のカセットテープのBOXを、幼少時よりよく聴いていたので、その口調と朗読のリズムはとても馴染み深い。

弁士にして漫談家、作家であり俳優やタレントとしても活躍した徳川夢声の存在を2022年現在、若者たちに説明するとしたら、「“彼氏”なる俗語を発明した人」 というのが、一番通りが良い気がする。