漫画広告シリーズ ~ 心霊劇画の巨匠・黒田みのるが描く 『猿の惑星』 (昭和46年6月) | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

昭和46年6月、心霊劇画の巨匠 黒田みのる 先生が描く 『怪奇SF長編劇画 猿の惑星』(芸文社)の新聞広告。



「ついに出た!恐怖の惑星劇画 本邦最初の書下し衝撃巨編成る!!」

「宇宙の支配者惑星猿人の驚異の人間狩りと生体解剖」

「猿が人間を支配する世にもサイケでショックな事実、大宇宙二三〇光年のかなたにある想像を絶した恐怖の惑星ですごした地球人探検隊長の異常な体験!!」


と、数々の血沸き肉躍るコピーの数々には、果たして 惑星劇画 なるジャンルが存在するのかという疑問はさておき、映画で何度も観た『猿の惑星』というよりは、同時期にテレビで放送されていた 『宇宙猿人ゴリ』 (フジテレビ)や、3年後に放送されることになる 『SFドラマ 猿の軍団』 (TBS)のコミカライズ作品に思えてしまう不思議。しかし、これはれっきとした ピエール・ブール 原作の『猿の惑星』の劇画版なのだ。

すでに『猿の惑星』(日本公開は昭和43年)、『続・猿の惑星』(日本公開は昭和45年)は公開済みで、この年7月の『新・猿の惑星』日本公開を控えていた時期。まだ家庭用ビデオが普及していない頃だけに、新~の公開前に、今一度、『猿の惑星』の内容をおさらいしておくという意味もあっての劇画版だったのかも知れない。

それにしても、協力の20世紀フォックスの表記が 廿世紀フォックス(極東)映画会社 となっているあたりに、49年前との時代差を感じてしまう。

一見すると、少女漫画風でありつつ、奥底にとてつもない 怖さ をも感じさせる黒田みのる先生の画風とアレンジによる『猿の惑星』、ぜひ復刻してもらいたいものだ。