日時: 2023年6月24日(土)13:45
場所: ミューザ川崎シンフォニーホール
曲目: 運命の力序曲、悲劇的序曲、「田園」
指揮: 小田野宏之
私が学生合唱団に居た頃、ワグネルと言えばダンチの技量を持つ合唱団として凄い存在だった。私なんぞがそのような団に入ったら、演奏会前のオーディションで落とされ、正式な演奏会の舞台など登壇できたものではなかっただろう。
現在でもあるのかな、と思い検索してみたら、「ワグネル・ソサィエティー」の名前を冠した男声合唱団と女声合唱団が活動しているようだった。
私の世代よりずうっと上だが、合唱の黄金時代、ワグネルからはダークダックスが出て一世を風靡したことも有名な話だ。
なぜ学生オーケストラの話なのに合唱団を引き合いに出したかと言うと、このような経緯があって、「ワグネル・ソサィエティー」という名称に対しコンプレックス、乃至は一方的な思い込みがあったからであり、ここ数年アマオケを頻繁に聴き回っているのにもかかわらず、この楽団を聴きに行ったことはなかった、という点を言いたかったからだ。学生オケとしては珍しく最上級のコンサートホールを使用、普通の学生オケより(少しだが)高い入場料設定、というように、OB・OGからの分厚い援助や楽団自身のプライドを連想させる形で演奏会を開催してきている。
例によって当日の前夜、「明日はどれを聴きに行こうかな」とi-Amabileを見回し、最終候補に残ったのはこの演奏会ともう一つ、私の近所でハイドン92とビゼー1をやる、(楽団の自己紹介によると)志の高そうな会だった。かなり迷ったが、決め手となったのはワグネルの方はteketによる席の指定・購入ができたことで、片方は自由席だった。天井桟敷ではあるが指定のB席はもう一方の自由席より少しだけだが(^^;)>安かった。私のニーズに合った席を指定できたから、早めに行って並ぶ必要がなくなった。ミューザ川崎なら天井桟敷であってもよく聞こえるかもしれない。これを確かめに行くだけでもB席1000円の価値がある。
そして聴き始めた「運命の力」序曲は聴き易く整った演奏だった。天井桟敷の席であっても聴きずらいと感じることはなかった。しかしあまり好きになれないでいる悲劇的序曲はやはり楽しめなかった。素晴らしい響きを醸し出す曲なのだけれど、題名の割りにドラマを感じないで推移した。
一番楽しみにしていた田園はどうだったか。これが意外にもバランスが、、、 弦楽だけで考えると中低音がもっと欲しかったし、中音部は存在感が足りなかったかも。このように聞こえてしまうのは4階席だからなのかな、上澄みだけしか聞こえてないのかな、などと考えながら聴いていた。しかし何と言っても最大の物足りなさは、演奏が一番困難な金管楽器による難しい聞かせどころだった。この曲が好きで、相当な回数のアマオケの演奏を聴いてきたけれど、少なくとも三分の一、ことによると半分くらいはここで上手く行かないのである。曲の最終仕上げとして鳴り響く調べ。これがこけて終わると、幾ら難しい部分だと分かっていても、しゅんとして聴き終わることになってしまうのだった。