副題: 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか
たまたまではあるが、最近は日韓問題、日中問題を日本側に好意的な立場に立って論じる本を読み続けている。
今回の「侮日論」は韓国済州島出身で今は日本に帰化している呉善花(おそんふぁ)が、なぜ韓国人が日本を見下すのか、についてかなり丁寧に分析した考察の本だった。
著者は幼少期を親日的な雰囲気の郷土で育ったが、成長して都会に出ると反日の大勢に飲み込まれ、日本に親しみを持つのは教養がない人達だからだ、と思うようになる。そうは言っても女性には息苦しい韓国社会を飛び出しアメリカ留学に向かうことにするが、その途中立ち寄った日本で、思っていたのとは違う、暮らしやすい日本社会に出会い、自らの幼少期を思い出しつつ立場を変えていくことになる。
今はもう手元に無いが、私は彼女の最初のエッセーと思われる「スカートの風」を読んでいる。女性が自立した生活を送りにくい韓国社会には困ったものだ、というようなことが書いてあったと記憶している。普通に自身の感想を書いている、という感じの本であったと思うのだが、のちに著者が母の葬儀のため里帰りしようとした際、反韓的な活動を日本でしている人物として入国を拒否されたそうである。「スカートの風」からこの入国拒否に至るまでの期間にどのような活動があったのか知らないにせよ、さほど韓国の尊厳を傷付けるほどの活動をしているとは思えなかったので、この話には驚かされた。
この本の最初のほうでは、この入国拒否事件を中心に著者への激しい非難や、韓国内に僅かながら存在した「親日派」への総攻撃が紹介され、著者もそれに応じるように強い調子で反論している。
しかしその後の分析では強い調子は抑えられ、彼女自身の調査に基づく説明がなされていて、なかなか読み応えがあった。
著者の主張は読んでもらえれば分かるので、それを紹介することはしない。ここでは私が「えっ、そうだったの!?」とびっくりさせられた二点を紹介しておく。
その一。
反日政策は第二次世界大戦以降変わらず一貫して存在したのかと思っていたのだが、政権によって随分違っていたようだ。李承晩政権時代は意外に親日派も登用されていたし、その後の軍人政権時代には思いのほか「未来志向」であったように書かれている。その後文民政権に移ると、金泳三、金大中、盧武鉉、李明博と続くその政権ごとの特徴的な性格を示しつつ、どんどん現在のような姿勢を強めてきたようである。金泳三政権と言えばそんなに昔という認識は無いから結構最近のことに思える。そんな頃に対日政策の転換点があったというのは意外だった。マスコミの報道だけを見ていても大事なポイントは私の中に入ってこなかったようである。
その二。
韓国人が日本の家庭に招かれて日本に対する心証を悪くする原因の一つに、ホストファミリーが客の脱いだ靴を直すことがあるという点。日本人は整頓が好きだし、客が帰る時にすぐ履けるよう、当然のように直すのだが、韓国では脱いだままにしておくようで、直して靴を外に向けるというのは「早く帰ってくれ。」と言われているのと同じなのだそうだ。そうであれば当然むーっと来る。同じ姿かたちで、玄関で靴を脱いで家に入る習慣も同じ。だから同じ価値観を有していると思ってしまうところに、近いが異なる価値観を持つお隣さんとの付き合い方の難しさがあるようだ。