やっかいな隣人韓国の正体 井沢元彦・呉善花著 祥伝社 | takacciの「見た・観た・聴いた・読んだ」

takacciの「見た・観た・聴いた・読んだ」

音楽に関すること、観たこと、読んだことへの感想などを書いていきます。(文中敬称略) 2019年4月より別サイトで掲載していた写真の記事も同居させましたが、20年7月に元に戻しました。

本ブログの無断転載はお断り致します。

副題: なぜ「反日」なのに、日本に憧れるのか

 

日本史に関連する著作が多い井沢が「こちらではこう捉えている歴史に関し韓国では全く違う捉え方をしている。それはなぜなのか。」と問題を提起し、呉善花(おそんふぁ)が「それは韓国のこういう歴史背景に則りこういう考え方でこうなっている。」と応える形で進む対話本だった。出版されたのは平成18年9月。

 

井沢が「韓国内の歴史認識は不可解であり理解できない。」と問いを発し、呉が「そうでしょうとも。それにはこれこれの間違った背景があり、それを正せないまま今に至ったのです。」と答えるパターンが最初から最後まで続いた。同じパターンなので、読み疲れて本を閉じることが多かった。一気に最後まで読み進むのは難しかった。かと言って、書かれている指摘は現状を考えるとうがっていると思えるものだったので大いに参考になり、決してつまらない本ではなかった。

 

10年近く前に出された本ではあるが、マレーシアでのあの事件が起きた今でも、日韓関係の基本的問題点は変わっていないように思われた。

 

呉善花の本を読んでいると、韓国の改革派と呼ばれる方々の共通する考え方には「反日」の他に「親北」もあり、これも色濃い、と言うから仰天する。同じ民族である点は当然としても、韓国と共通する価値観である「儒教思想」を持っていることが大きいようだ。領土問題や「反米」への実践形態として北との連携、もしくは中国を巻き込んでの協力、なんてものも裏に潜んでいそうで、下手すれば抜き差しならぬ状況に陥るのではないか、と心配になった。